住宅ローンの利息を大幅にカットする5つの方法
■住活コラム

住宅ローンの利息を大幅にカットする5つの方法

1.方法①住宅ローンの借り換え

方法①住宅ローンの借り換え

2. 方法②元金均等返済を選ぶ

方法②元金均等返済を選ぶ

元金均等返済は、返済期間中、毎月の元金返済額を一定にして、金利分を残高に応じて計算する方法です。元金が早く減るため、支払う利息を削減でき、返済額が年々減少します。

3. 方法③返済期間の短縮

方法③返済期間の短縮

2. 返済期間短縮のデメリット

続いて、デメリットです。

 

  1. 月々の返済額が増加

返済期間を短縮すると、元金と利息を返済する期間が短くなるため、月々の返済額が増える点は避けられません。例えば、30年ローンを25年に短縮すると、元金を5年分上乗せして支払う必要があります。このため、家計にかかる負担が増えることを考慮する必要があります。

 

  1. 生活費への影響

月々の返済額が増加することで、他の生活費にしわ寄せがくる可能性があります。特に、子育て中や収入が不安定な時期には、急激に増加した返済額が家計を圧迫し、生活水準に影響を及ぼすリスクがあります。

 

  1. 貯蓄への影響

月々の支払いが増えることで、手元に残るお金が少なくなり、貯蓄や緊急時の備えが不足する可能性があります。突然の支出や予想外の出費が発生した場合、十分な対応ができなくなるリスクが高まる点に注意が必要です。

3.  返済期間短縮のシミュレーション

以下は、借入額3,000万円、金利1.2%、返済期間30年での返済期間短縮のシミュレーションです。

 

返済期間

月々の返済額

総返済額(元金+利息)

利息総額削減効果

30年(変更なし)

98,900円

35,604,000円

25年

108,600円

32,580,000円

3,024,000円減少

20年

137,900円

30,096,000円

5,508,000円減少

 

この表からもわかるように、返済期間を短縮することで、総返済額に大きな差が生じます。一方で、月々の返済額が大幅に増えるため、無理のない範囲で計画を立てることが大切です。

 

4. 方法④繰り上げ返済による利息削減

方法④繰り上げ返済による利息削減

1. 繰り上げ返済のメリット

繰り上げ返済のメリットは以下のとおりです。

 

  1. 利息の総額削減

繰り上げ返済の最大の魅力は、利息の支払いを大幅に削減できる点です。住宅ローンの利息は元金残高に応じて計算されるため、繰り上げ返済を行うことで、残高が減少し、結果的に利息も減ります。例えば、金利1.5%、借入残高2,000万円の場合、100万円を繰り上げ返済すると、その後の利息の負担を数十万円単位で軽減することが可能です。

 

  1. 返済期間の短縮

繰り上げ返済を行うと、返済期間そのものを短縮することができます。たとえば、35年ローンを契約している場合でも、繰り上げ返済を定期的に行えば、最終的な完済時期を5~10年短縮することも可能です。完済が早まれば、経済的な負担から解放される時期も早まり、生活の自由度が増します。

 

  1. 精神的な安心感

ローン残高が減ることや、完済時期が見えることで、精神的な安心感が得られます。特に長期ローンでは、ローンが減少していく実感を得ることで、家計管理や将来設計に対するモチベーションが高まります。

2. 繰り上げ返済のデメリット

続いて、デメリットです。

 

  1. 一時的な資金負担

繰り上げ返済にはまとまった資金が必要となります。たとえば、ボーナスや貯蓄を繰り上げ返済に充てる場合、それ以外の生活費や緊急時の備えが不足するリスクがあります。特に家計に余裕がない時期に無理して繰り上げ返済を行うと、生活の質を損なう可能性があります。

 

  1. 資産運用のチャンスロス

繰り上げ返済に資金を回すことで、他の資産運用に使える余剰資金が減るというデメリットもあります。特に低金利時代では、ローン金利よりも高い利回りを得られる運用が可能な場合、繰り上げ返済よりも運用を優先した方が長期的な資産形成に有利になることも考えられます。

 

  1. 返済方法の選択による制約

繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの選択肢があります。期間短縮型は完済時期を短縮する代わりに毎月の返済額は変わりません。一方、返済額軽減型は月々の返済額を減らすことができますが、完済時期は変わりません。どちらを選ぶかによって効果が異なり、自分の家計状況に適した選択を行う必要があります。

3. 繰り上げ返済のシミュレーション

以下は、借入額3,000万円、金利1.2%、返済期間30年の場合に、100万円を繰り上げ返済した場合のシミュレーションです。

 

繰り上げ返済後の返済期間

毎月の返済額

総返済額(元金+利息)

利息削減額

繰り上げ返済なし

98,900円

35,604,000円

100万円繰り上げ(期間短縮型)

98,900円

33,500,000円

2,104,000円減少

100万円繰り上げ(返済額軽減型)

94,000円

35,100,000円

504,000円減少

 

上記の試算表からも、期間短縮型では利息削減効果が大きく、返済額軽減型では月々の負担が軽減されることがわかります。家計の状況や将来の計画に合わせて、最適な方法を選ぶことが重要です。

5. 方法⑤ボーナス返済の活用

方法⑤ボーナス返済の活用

1. ボーナス返済のメリット

まずは、メリットです。

 

  1. 元金の早期減少

ボーナス返済を活用すると、まとまった金額を元金の返済に充てるため、元金の減少ペースが加速します。元金が減ると、利息計算の基礎となる残高も減るため、その後の利息負担が軽減されます。例えば、金利が1.2%、借入残高が2,500万円の場合、50万円のボーナス返済を行うと、残高が減ることで利息の支払いが大幅に抑えられます。

  1. ローン返済の計画性を高める

ボーナス返済を組み込むことで、年に数回のまとまった返済機会を計画的に活用できます。ボーナスをあらかじめ返済に充てるプランを立てることで、無駄な支出を抑えつつローン完済への道筋を明確に描けます。

  1. 心理的な負担軽減

ボーナス返済を活用することで、通常の月々の返済額を抑えられる可能性があります。これにより、月々の家計負担が軽減され、生活資金に余裕が生まれることがあります。特に、家族構成が変わるタイミングや教育費が増える時期に、月々の負担を調整できるのは大きなメリットです。

2. ボーナス返済のデメリット

続いて、デメリットです。

 

  1. ボーナスの金額に依存

ボーナス返済の効果は、ボーナスが予定通り支給されることを前提としています。景気変動や会社の業績によってボーナス額が減少、または支給されない年があると、計画した返済ができず家計に影響を与える可能性があります。特に、不安定な収入状況の家庭では、ボーナス返済を無理に組み込むとリスクが高くなります。

 

  1. 自由に使える資金の減少

ボーナスをローン返済に充てることで、旅行や家族のための大きな出費など、自由に使える資金が減る可能性があります。家計全体のバランスを考えた上で、ボーナス返済の額を設定する必要があります。

 

  1. 返済額が負担になる可能性

ボーナス返済を組み込むことで、ボーナス時に多額の返済額が発生するため、他の支出が圧迫されるリスクがあります。特に、教育費や車の購入など大きな支出が重なる年には、家計全体の負担が増加する恐れがあります。

3. ボーナス返済のシミュレーション

以下は、借入額3,000万円、金利1.2%、返済期間35年の場合に、毎年50万円をボーナス返済に充てた場合のシミュレーションです。

 

ボーナス返済額

総返済額(元金+利息)

利息削減額

完済期間

ボーナス返済なし

34,772,000円

35年

毎年50万円追加

31,540,000円

3,232,000円削減

約29年

 

この試算では、毎年50万円のボーナス返済を行うことで、総支払額を約3,200,000円削減でき、完済期間を6年短縮する効果が得られることがわかります。家計に無理のない範囲でボーナス返済を活用することが、ローン負担の軽減につながります。

6.まとめ

住宅ローンの利息を削減するためには、さまざまな方法を組み合わせることが効果的です。借り換え、元金均等返済、返済期間の短縮、繰り上げ返済、ボーナス返済を行うことで、大幅な利息削減を実現できます。自身のライフスタイルや収入に合った方法を選び、最適な返済計画を立てることが重要です。

 

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