任意売却のメリットデメリット-仲介や競売との違いは?
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    任意売却のメリットデメリット-仲介や競売との違いは?

    【目次】
    住宅ローンの返済が遅れると、最終的に競売が行われる可能性があります。競売では、市場価格の5~7割程度での売却が一般的であり、さまざまなリスクが伴います。そのため、解決策の一つとして「任意売却」が挙げられます。 しかし、任意売却にはメリットだけでなく、慎重な検討が必要なデメリットも存在します。本記事では、任意売却のメリットデメリット、仲介や競売との違い、さらに適切なケースについて解説します。

    1.任意売却とは?

    任意売却のメリットデメリット-仲介や競売との違いは?
    任意売却は、何らかの理由で住宅ローンの返済ができなくなった場合に、金融機関との交渉を経て不動産を売却する方法です。また、売却代金で住宅ローンを完済できず、残りのローンを自己資金でも返済できない場合にも利用されます。

    通常、不動産を担保とするローンは、融資時に抵当権を設定します。この抵当権はローンが完済されるまで消滅しません。また、他者の抵当権がついたままの物件は売却が難しいです。従って、物件を売却する際には、売却代金だけでなくローンの残債も完済しなければなりません。

    しかし、このようなケースで役立つのが任意売却です。抵当権を持つ金融機関の同意を得れば、ローンの残債があるままでも物件を売却できるのです。

    では、通常の売却(仲介)や競売とは何が違うのか?この章では、任意売却と仲介や競売との違いを説明します。
     

    1.仲介との違い
    通常の売却では、不動産の所有者である売主が主体となります。不動産会社を介した媒介契約による売却や、自ら買主を見つける自己発見取引が一般的です。
     
    住宅ローンや他の債務の返済に遅れがなく、不動産の売却代金で残債を一括返済できる場合、通常の売却が選択肢となります。
      売却価格の目安は、市場価格や不動産会社の査定額に近い金額です。また、売却を決断した場合でも、理想の価格での買主が見つからないなどの理由で売却を取りやめることが可能です。  

    2.競売との違い
    住宅ローンの支払いが数ヵ月延滞すると、抵当権の設定された物件は競売にかけられます。競売は、住宅ローンやその他の借金の返済が遅れ、債権者が競売手続きを開始し、裁判所がその正当性を認めた場合に行われる売却方法です。

    競売では、売主としての主体は不動産の所有者ではなく、債権者の申立てを認めた裁判所が主体となります。買主が見つかれば、所有者の意思に関係なく物件が強制的に売却されます。

    売却価格の目安は仲介や任意売却よりも低く、5~7割程度とされます。また、競売された後も残債があれば、返済は継続されます。

    3.仲介・任意売却・競売 それぞれの違い
    それぞれの違いを以下にまとめましたので、参考にしてください。

      仲介 任意売却 競売
    売主 不動産の所有者 不動産の所有者 裁判所
    返済状況 返済の遅延がない 返済が遅延しており、または今後の返済が難しいと判断されている 返済遅延後、督促の期間内に返済できなかった
    利用できる条件 売却したお金で残債を一括返済できる 債権者の承認が必要。任意売却が開始されたら、債務者の意思だけでは取り消せない 債権者が競売を申し立て、裁判所が承認した場合。債務者が競売を取り消すことはできない
    売却価格 市場価格と同程度 市場価格の8~9割 市場価格の5~7割
    価格決定権 不動産の所有者 金融機関と協議 裁判所
    仲介手数料 あり あり なし

    2.任意売却のメリット5つ

    任意売却のメリット5つ

    次に、任意売却のメリットを解説します。

     

    1.競売よりも高く売れる

    競売で不動産を売却する場合、通常の市場相場よりも大幅に低い価格になることが一般的です。一般的には、市場価格の5割から7割程度になることが多いです。

    この価格の低さは、いくつかの理由によるものです。まず、買主が物件を購入する前に内覧することが難しい場合があります。また、競売物件の情報が公開されてから入札が開始されるまでの時間が短いため、買主が情報を入手し、準備を整える時間が限られています。さらに、現所有者が立ち退きを拒否する場合、買主は自ら交渉しなければならないこともあります。

     

    このような理由から、競売では物件が安い価格で売却される傾向があります。一方、任意売却では通常の不動産の売買と同様に、不動産会社の仲介を通じて物件が売却されます。そのため、市場相場と同等の価格で売却されることが一般的です。

     

    2.住宅ローンの残債を分割返済できる

    通常の売却では、住宅ローンの残債を一括返済しなければ、金融機関は抵当権を解除してくれません。しかし、金融機関は任意売却を行う人に対して、一括返済を求めることは無謀というのも理解しています。

    そのため、返済が滞る状況を防ぐために、金融機関は返済額を適切に設定し、分割返済を可能にすることもあります。

    ただし、滞納が続いた場合、金融機関は「住宅ローンを返済する意思がない」と判断し、一括返済を求めることがあります。督促の連絡が何度も無視されたり、対応されなかったりした場合、競売の対象となる可能性があることに注意が必要です。

     

    3.売却費用を抑えられる可能性がある

    任意売却では、債権者の同意を得て、売却代金の一部を経費や清算費用に充てることができる場合があります。

    物件の任意売却を検討する人々は、通常現金が十分でないことが多いです。引っ越し費用や税金の支払いなど、必要な支出をまかなえないこともよくあります。任意売却では、債権者の同意を得て、売却代金の一部をこれらの費用に充てることができる場合があります。

     

    一方、競売では売却代金は裁判所に管理され、全額が債権者に支払われます。引っ越しやその他の必要な出費がある場合、自分で資金を用意する必要があります。

     

    4.引き渡し日を調整できる

    競売では、強制退去日が定められ、その日までに物件を退去する必要があります。一方、任意売却では、売主や金融機関との交渉によって、より柔軟な引き渡し日を設定することが可能です。これにより、売主や買主の都合に合わせて引き渡し日を調整することができます。

     

    5.近隣住民に知らずに売却できる

    競売では、裁判所の競売情報などを通じて売主の情報が公開されますが、任意売却では不動産会社と相談して広告公開範囲を決定できます。

     

    そのため、売主はプライバシーを守りつつ物件を売却できます。特定の条件下でのみ物件情報を公開することも可能であり、近隣住民に知られずに売却を進めることができます。

    3. 任意売却のデメリット5つ

    任意売却のデメリット5つ

    続いて、任意売却のデメリットです。

     

    1.ブラックリスト(信用情報)に載る

    競売でも同様ですが、任意売却が必要な場合、信用情報機関に事故情報が記載され、いわゆるブラックリスト入りとなります。

    個人信用情報に情報が登録されるタイミングは金融機関や信用情報機関によって異なりますが、一般的にはローンを3回滞納したタイミングで登録されます。この情報が登録されると、5年間は新たなローンの借り入れが難しくなります。さらに、クレジットカードの審査にも影響を与え、普段の生活にも支障が出る可能性があります。

     

    ブラックリスト入りすると、数年間は新たな借り入れやクレジットカードの取得が制限されますので、任意売却によって信用情報に傷がつかないという保証はありません。

     

    2.『任意売却=残債がゼロになる』わけではない

    任意売却を行った場合でも、すべての残債が消えるわけではありません。売却代金が残債を十分にカバーしない場合、残債が残る可能性があります。そのため、売却後に返済すべき残債が残ることになります。

    ただし、任意売却の場合は一括返済だけでなく、分割返済が可能なケースもあります。具体的に返済すべき額は、収入状況などを考慮して金融機関が決定しますが、一般的には月額5,000円から30,000円程度で設定されることが一般的です。

     

    3. 期限内までに売却しなければならない

    通常の不動産売却とは異なり、任意売却には売却期限が設定されます。

    この期限は、競売手続きと同時に進められます。具体的には、競売の開札期日の前日までに、代金の受け取りと物件の引き渡しが完了する必要があります。買主との交渉も必要なため、スケジュールを十分に確保することが重要です。

     

    4.金融機関の同意を得られないと売却できない

    任意売却は、個人の裁量では自由に行うことができません。任意売却の可否は金融機関によって決定され、一度任意売却の手続きを始めると取り消すことはできません。また、場合によっては、購入希望者が現れたのにも関わらず金融機関からの承諾を得られないケースも考えられます。例えば、物件の査定額が残債を極端に下回る場合、返済計画が現実的でなければ任意売却することができない可能性があります。

     

    5.任意売却するには債権者の同意が必要

    任意売却を進める際には、連帯保証人や共有名義人の同意が必要になります。

    しかし、任意売却を望んでも、名義人の許可を得られない場合もあります。たとえば、離婚後に元夫名義の家に元妻が居続ける場合、元夫が住宅ローンの支払いを滞納し、金融機関からの督促を無視し続ける

    4. 任意売却を検討した方がよいケース

    任意売却を検討した方がよいケース

    ここまで任意売却のメリットデメリットを解説してきましたが、実際に任意売却を検討した方がよいのはどのようなケースなのかみてみましょう

    1.金融機関から督促状や催告状が届いた場合

    住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から督促状や催告状が届くことがあります。この時は任意売却を視野に入れる必要があります。

    督促状にある返済期限までに返済が完了した場合は大きな問題はありませんが、今後も遅延が続く可能性がある場合は、住宅ローンを提供している金融機関との返済の相談や、競売になる前に任意売却の準備を始めることが賢明です。

     

    ただし、物件が実際に売れるまでには3ヵ月から6ヵ月かかることが一般的ですので、できるだけ早く行動を開始することが重要です。

     

    2.売却後に残債を一括返済できない場合

    売却代金と「自己資金」だけでは一括返済が難しい場合は、通常の売却ではなく任意売却を選択することも一つの手段です。

     

    この「自己資金」には親族からの援助や他の金融機関からの借り入れで得た資金も含まれます。それらの資金があってもなお完済できないというケースです。

     

    不動産会社の査定額から売却にかかる諸経費を差し引き、その金額と自己資金を合わせて残債を完済できるかどうかを検討しましょう。

    6. まとめ

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    『住みたい街ランキング2024』横浜駅が7年連続の1位!埼玉県の大宮駅は2位にランクイン

    【目次】

    1.2024年『住みたい街ランキング』の結果

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    2.横浜駅が7年連続1位に!人気の理由は?

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    3.2位の大宮駅は埼玉県内のターミナル駅

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    4.横浜市内で家を買うなら戸塚エリア、埼玉県内なら川口や蕨もおすすめ

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    5.まとめ

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    『リノベ済物件』or『買ってからリノベ』

    【目次】

    1.リノベとリフォームの違い

    住活コラム_『リノベ済物件』or『買ってからリノベ』_1

    リノベーションとリフォームは、両方とも建物や住宅を改修することを指しますが、微妙な違いがあります。

     

    ・リノベーション

    リノベーションは、建物や住宅の性能や価値を向上させることを目的とし、部分的または全体的な改造を行います。つまり、建物や住宅の構造を変更し、新しいデザインや機能を追加することを指します。リノベーションはリフォームよりも工事の規模が大きく、部分的な修繕だけでなく、大規模な改修も行われることがあります。

     

    ・リフォーム

    リフォームは主に「古くなった部分を新品同様の状態に戻す」ことを目的として行われます。具体的には、お風呂やトイレ、キッチンなどの設備を新品と交換する工事や、壁紙やフローリングを張り替えるなどが該当します。リフォームは主に部分的な修繕を行い、間取りや内装の変更は行いません

    簡潔に言えば、リフォームは古いものを新しい状態に戻すことを重視し、リノベーションは新しいデザインや機能を追加することを目的としています。

    2.リノベ物件の買い方は2パターン

    住活コラム_『リノベ済物件』or『買ってからリノベ』_2

    リノベ物件の買い方は主に2つ。リノベ済物件を購入するか、中古物件を購入してからリノベするか。それぞれの特徴をみていきましょう。

     

    1.『リノベ済物件』を購入する

    リノベ済物件を購入する場合は、すぐに快適な生活を始めたい方やリスクを避けたい方、リノベーションの内容に強いこだわりがない方に適しています。

    この方法のメリットデメリットは以下のとおりです。

     

    【メリット】

    ・即入居できる

    リノベーションが完了しているため、すぐに入居することができます。手間や時間をかけずに新しい住居で生活を始めることができます。

    ・手間や時間がかからない

    リノベーションの工程やコストを自分で管理する必要がないため、リスクが軽減されます。予期せぬトラブルや追加費用の心配が少なくなります。

    ・価格が明確なので資産計画を立てやすい

    物件価格にはリノベ費用も含まれているため、資金計画が立てやすいというメリットもあります。追加費用が発生することはほとんどないので建売住宅などの完成物件を購入する感覚と同じです。

     

    【デメリット】

    ・価格が高い

    リノベーションが施された物件は一般に価格が高めに設定されていますが、手間や時間の節約を考慮するとコストパフォーマンスは高いと言えます。

    ・シンプルなデザインが多い

    リノベーションにはさまざまなスタイルがありますが、リノベ済物件は万人受けしやすいシンプルなデザインであることが多いです。個性的なリノベを求める方には物足りないかもしれません。

     

    2.『買ってからリノベ』する

    中古物件を購入してからリノベをする方法です。中古物件購入、リノベーション、住宅ローン、この3つをこなしていかなくてはならないため、プロセスが多いですが、時間や手間をかけてでも理想の家づくりをしたい方には適しています。

    この方法のメリットデメリットは以下のとおりです。

     

     

    【メリット】

    ・自由度が高い

    中古住宅を購入し、その後のリノベーションによって、自分の好みやニーズに合った家を実現できます。

    ・家づくりのプロセスが見える

    リノベーションの工程やデザインに参加できるため、家づくりのプロセスを楽しむことができます。

     

     

    【デメリット】

    ・予期せぬ問題が発生するリスクがある

    中古物件を購入しリノベーションする場合、予期せぬ問題が発生するリスクがあります。建物の構造や設備の劣化、補修や改修が必要な箇所などに対処する必要があります。

    ・すぐに入居できない

    中古物件のリノベーションには時間がかかる場合があります。設計や工事の準備、実際の工事、そして引っ越し準備など、複数の段階を経るため、入居までの期間が長くなる可能性があります。

    ・手間や時間がかかる

    物件購入とリノベーションを別々の会社に依頼したい場合、注文住宅なみに手間がかかります。なぜなら、物件探し、リノベーション、住宅ローン、この3つをこなしていかなくてはならないからです。大変な思いをしたからこそ、自分好みの家を手にした達成感はあるかと思いますので、デメリットとも言い難いですが、家づくりに手間をかけたくない方には負担になるでしょう。

    3. 『リノベ済物件』選びのチェックポイント

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    リノベ済み物件を選ぶ際には、注意深く検討する必要があります。以下は、その際に重要なチェックポイントです。

     

    1.工事範囲の確認

    リノベーションがどの部分に行われたかを確認します。内装の美観だけでなく、配管や電気設備、構造的な改修も重要です。物件が本当に必要とするリノベーションが行われているかを確かめましょう。

     

    2.物件価格の適正さ

    物件価格にリノベーション費用が適切に反映されているかを確認します。『リノベ済物件』の中には、過剰な価格設定が見られることもあります。そのため、提示価格を鵜呑みにせずに、相場に合っているかどうかを必ず確認することが重要です。中古住宅の価格相場を知りたい方には、国土交通省が運営している「不動産取引価格情報検索」をご利用いただくことをおすすめします

     

    3.法令遵守の確認

    時折、違法に増築されたり、建築基準法などの法令に違反されたりしている中古住宅が市場に出回ることがあります。一般的な違反事項としては、建蔽率や容積率の超過が挙げられます。たとえデザインが気に入っても、このような物件の購入はおすすめできません。そもそも、違法建築は住宅ローンが通らない可能性があります。

    4. 『買ってからリノベ』する時の注意点

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    中古物件を購入してからリノベする場合の注意点を解説します。

     

    1.物件探し・リノベ・住宅ローンの3工程がある

    中古住宅を購入してからリノベしたい場合、「ワンストップ」という方法を取り扱っている会社に行けば、中古物件探しからリノベーションまで全ての工程をひとつの会社で行うことが出来ます。この場合はさほど手間はかかりません。

     

    しかし、物件購入とリノベーションを別々の会社に依頼したい場合、注文住宅なみに手間がかかります。なぜなら、物件探し、リノベーション、住宅ローン、この3つをこなしていかなくてはならないからです。

    流れとしましては、まずは不動産会社でリノベーション向き物件を探してもらいます。そして、物件の売買契約・決済・引き渡しが完了したら、別の会社でリノベーションの契約、工事へと進みます。

     

    2.リノベできない中古物件もある

    フルスケルトンでのリノベーションは、基本的には間取りや設備の変更が可能ですが、建物の構造によってはリノベーションが制限される場合もあります。具体的には、以下のような構造のマンションではリノベーションが難しいことがあります。

     

    ・耐震性や構造上、必要な柱は解体できない

    ・マンションの共有部分(外壁の塗装など)にはリノベーションはできない

    ・上下・左右の部屋に影響がない範囲で工事ができる

    (そのため、床材の変更が禁じられているケースがあります)

    ・マンションの規約で電気とガスの容量が定められているため、オール電化に変更できない場合がある

     

    物件を探す時は、不動産会社にリノベをしたいことを伝え、適した物件を探してもらいましょう。

     

    5. 住宅ローンとリフォームローンの違い

    住活コラム_『リノベ済物件』or『買ってからリノベ』_5

    最後に、住宅ローンとリフォームローンの違いを解説します。

     

    住宅ローン…新築または中古住宅の購入や建築資金を賄うための融資。住宅の購入や建設に関連する費用をカバーします。

    リフォームローン…既存の住宅のリフォームや改修、修繕のための融資。住宅の改装やリノベーションに関連する費用を支援します。

     

     

    住宅ローン

    リフォームローン

    選択可能な金利

    「変動金利型」「固定金利型」「固定選択金利型」から選択できる

    「変動金利型」(年2回金利見直し)が主流。金利が住宅ローンよりも高い。

    返済期間

    最長30〜35年

    6ヵ月〜15年程度

    対象物件

    新築住宅や中古住宅、マンション、土地購入

    既存の住宅のリフォームや改修、修繕

    審査基準

    審査期間は長め。完済時年齢、借入時年齢、返済負担率、勤続年数、年収、担保評価、健康状態などをみて審査する。

    リフォームの内容や予算、物件の価値などが審査の要件となる。

     

    リフォームローンの金利は通常、2〜5%と高めに設定されています。一般的には、物件の購入には通常の住宅ローンを利用し、リノベーション費用には別途リフォームローンを利用するケースが多いです。

    ただし、物件の購入とリノベーションを別々の会社に依頼する場合は、通常の住宅ローンとリフォームローンの二重ローンになります。このような二重ローンを避けたい場合は、一体型ローンを利用する方法もあります。

    6. まとめ

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    コラム家が売れなかった場合の選択肢_サムネ
    ■住活コラム

    家が売れなかった場合の選択肢-原因と対処法も紹介

    【目次】

    1.家が売れなかった場合の未来や選択肢

    コラム家が売れなかった場合の選択肢_chapter1

    売却して家が売れなかった場合、最終的にどうなるのでしょうか。

     

    1.空き家として残る

    家が売れない場合、所有者はそのまま家を維持し、空き家として残すことができます。この場合、定期的なメンテナンスや税金、保険料などのコストがかかります。また、空き家が周囲の地域や地域全体の景観や安全性に影響を与える可能性があるため、地域社会や地方自治体にとっても懸念材料となることがあります。

     

    2.不動産会社に買取してもらう

    家が売れない場合、仲介ではなく不動産会社に買い取ってもらう「買取」という選択肢もあります。

    買取では、仲介のように販売活動を行わずに、提示された査定額に納得すれば即売却となります。売却を急いでいる、またはなかなか買い手がつかない場合に有効な方法ですが、買取の場合は仲介よりも安く売却されることが一般的です。通常、相場の7~8割程度で買取されるとお考えください。

    3.賃貸に出す

    売れなければ賃貸やリースバックという選択肢もあります。まず、賃貸に出す場合は、家を貸すことで収入を得ることができますが、管理費用や修繕費用、家賃未払いなどのリスクを考慮する必要があります。また、家を売るという最初の目標を達成するために、再び売却を検討するタイミングが訪れます。

    4.リースバックする

    リースバックとは、家をリースバックの業者と「普通借家契約」または「定期借家契約」を締結し、その業者に毎月家賃(リース料)を払いながら住み続けるという売却方法のひとつです。売却しても家を失わず、固定資産税もかからないのでメリットが多い方法ではありますが、通常の売却よりも売却価格が安くなることがほとんどです。近隣の賃貸よりも家賃が高いこともデメリットとなります。

    2.よくある「家が売れない」原因と対処法

    コラム家が売れなかった場合の選択肢_2

    次に、よくある家が売れない原因をいくつか挙げていきます。

     

    1.家そのものに問題がある

    築年数や立地、日当たりなど、物件の条件は売却に大きな影響を及ぼします。立地や周辺環境は不動産取引において重要な要素です。たとえば、交通の便が悪かったり、バスの本数が少なかったり、治安が悪い地域では、購入希望者が集まりにくい傾向があります。

    さらに、内装や外観が劣化していたり、汚れていたり、手入れが行き届いていないと、物件が魅力的でないと見なされることがあります。同じ地域に状態の良い物件がある場合、買い手は魅力的な物件を選びたいと考えるでしょう。劣悪な状態の物件は競合物件と比較して不利になり、競争力が低下します。劣化がひどい部分だけでもリフォームをして、少しでも物件の良さをアピールしましょう。

     

    2.売り出し価格が適正ではない

    購買希望者は複数の物件を比較して検討します。相場を把握しているため、過剰な価格設定は他の物件と比較した際に選択肢から外れる可能性が高まります。逆に価格が安すぎる場合も、品質に対する疑問が生じ、購買希望者の興味を引き付けることができません。

    中には、高い価格から段階的に価格を下げる戦略を取る方もいらっしゃいますが、実際にはこの方法が成功するケースはまれです。迅速な売却を望むのであれば、最初から適正価格を設定することが重要です。

     

    3.物件の問い合わせや内覧希望者が少ない

    適切な広告や宣伝が行われていない場合、物件が見過ごされる可能性があります。オンラインやオフラインの広告、不動産ポータルサイトやSNSなどを活用して、物件の情報を広くアピールすることが重要です。

     

    売却をするなら集客力がある不動産会社を選ぶことをおすすめします。集客力は、販売活動の要です。物件情報の広告範囲が狭い不動産会社よりも、幅広い媒体で情報を発信する会社を選びましょう。不動産ポータルサイトやSNS広告、店頭展示、チラシなど、多角的なアプローチが購買希望者の注意を引く助けになります。

    3. 内覧から購入に繋がらないのはなぜ?

    コラム家が売れなかった場合の選択肢_3

    内覧から購入につながらないケースが多い理由は、実際に物件を見た時に、写真とのギャップが大きいことが挙げられます。この問題を解決するには、物件の状態を向上させておくことが重要です。

    まずは、家の中を徹底的に清掃し、清潔感を演出しましょう。生活感や不快なにおいは内覧者の興味を損なう可能性があります。内覧対応の際には、以下のポイントを心掛けてください。

     

    ・家の中の不要な物を一時的に別の場所に移動させる

    ・水回りの清掃は徹底的に行う(ハウスクリーニングも検討)

    ・場合によっては水回りのリフォームも検討する

     

    手間や費用はかかりますが、内覧者の満足度を高めるために、物件の状態を向上させる努力は必要不可欠です。

    4. 住宅ローンが残っている家が「売れない」場合

    コラム家が売れなかった場合の選択肢_4

    売却するにあたって、住宅ローンの残債はとても重要です。残債によって、選択すべき売却方法も変わってきます。

     

    1.アンダーローンかオーバーローンか

    住宅ローンが残っている家を売却する場合、アンダーローン(売却金額が残債よりも高い状態)であれば、売却金で残債を一括返済できるため、スムーズに売却手続きが進みます。しかし、オーバーローン(売却金額が残債を下回る状態)の場合は、自己資金を追加して完済してから売却するか、任意売却を選択することになります。ただし、任意売却には一定の期限があり、買い手が見つからずに売却できなかった場合には、競売にかけられてしまいます。次項から詳しく説明します。

     

    2.仲介と買取以外を選択するなら「任意売却」の検討を

    オーバーローンの場合、任意売却で済むのなら競売にかけられる前に行動を起こしましょう。売却価格の高さで順番に並べるなら、仲介、任意売却、買取、競売の順になります。任意売却は競売よりは高値で売却できる可能性があります。

    仲介と買取以外の選択をするなら任意売却がベターです。

    ただし、任意売却を選んだ場合でも、住宅ローンがゼロになるわけではなく、売却後も残債の返済が必要です。その場合、金融機関は一括返済を求めることはまれであり、分割払いの交渉は可能です。あきらめずに行動を起こしましょう。

     

    3.住宅ローンが払えなければ「競売」になる

    住宅ローンが残っている家が売れない場合、最終的には競売にかけられる可能性があります。

    任意売却には一定の期限があり、買い手が見つからない場合は競売に進むことになります。競売はオークション形式で行われ、通常は相場の50~70%程度でしか売却されません。このため、希望価格での売却は保証されず、最悪の場合は負債が残ってしまい、自己破産に至ることもあります。競売には何らメリットはありません。住宅ローンが残っている家を売却する際には、競売以外の方法を検討し、専門家に相談して慎重に進めることが重要です。

    5. 売却を成功させたいのなら不動産会社選びは慎重に

    コラム家が売れなかった場合の選択肢_5

    家の売却がうまくいかない一因として、不動産会社選びに失敗していることが挙げられます。

    では、どのような不動産会社を選べばよいのでしょうか。大手不動産会社?それも間違いではないですが、ネームバリューだけで不動産会社を選ぶと失敗します。大手でも地域密着型でも、「提案力」「集客力」「販売力」、このどれかひとつでも足りない不動産会社は選ぶべきではありません。

     

    まず、「提案力」は物件の適正価格を的確に提示する能力です。提案力のある不動産会社は、過去の取引データや市場動向を踏まえ、専門知識と現実的な評価を結びつけて適切な価格を示してくれます。

    次に「集客力」です。これは販売活動の要です。物件情報の広告範囲が狭い不動産会社よりも、幅広い媒体で情報を発信する会社を選びましょう。不動産ポータルサイトやSNS広告、店頭展示、チラシなど、多角的なアプローチが購買希望者の注意を引く助けになります。

     

    最後は「販売力」です。人気エリアの物件でも、営業担当の販売力が欠けていれば売却が難しいです。中古物件購入者は懸念や疑念を持ちがちですが、その不安を解消し、物件の魅力や良い側面を伝える力が肝要です。ネガティブな理由を前向きなポイントに変換し、購買意欲を喚起する能力が求められます。

    6. まとめ

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    【住宅の耐用年数】古い住宅を購入するメリットデメリットは?

    【目次】

    1.住宅の耐用年数について

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    2.耐用年数と減価償却の関係

    減価償却のイメージ画像

    3.古い住宅を購入するメリット

    古い住宅のイメージ画像

    4.古い住宅を購入するデメリット

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    4.まとめ

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    売却で成功するためのポイント 売れやすいタイミング

    【目次】

    1.売却で成功するためのポイント

    売却で成功するためのポイント売れやすいタイミング_chapter1

    まずは、売却で成功するためのポイントを解説します。

     

    1.不動産会社は査定額だけで選ばない

    高い査定価格を出してくれたからといって、その不動産会社が優れているとは限りません。また、必ずしも売り出し価格と一致するわけでもありません。

    不動産会社によって査定価格がバラバラなので、高い査定を提示した会社を選んでしまう気持ちは理解できますが、それは大きな間違い。売却を任せて欲しくて、相場より高い査定価格を提示する不動産会社も存在します。

    査定額だけで判断せず、実績と信頼性を持つ不動産会社を選ぶことが重要です。

     

    2.売却する希望価格と最低価格を決めておく

    不動産を売却する際に多くの人が直面する難題は、「売りたい価格」と「売れる価格」の差です。少しでも高く売りたいのはみなさん同じで、実際に売れる価格とのギャップに悩みます。

    売却で成功するために最初に考えるべきは「最低ライン」の価格です。これはローン残債や売却にかかる費用などを考慮した金額です。「これ以下の価格での売却は難しい」という最低ラインの価格を把握したら、それを基準にして「売りたい価格」や不動産会社の「査定額」と比較してみましょう。もし「最低ライン」よりも「査定価格」が低い場合は、売却自体を再考する必要があります。

     

    3.売却理由は正直かつポジティブに伝える

    家を売却する理由は、人によって様々です。物件そのものに問題がある場合や、転勤、離婚、子どもが自立後の住み替えなど、その理由はたくさんあります。

    買主が購入を迷う売却理由として多いのは

     

    ・物件そのものに問題がある

    ・近隣に店や病院などがなくて不便そう

    ・騒音や日当たりに問題がある

    ・近隣の治安が悪い  

     

    などです。

    これらの理由はネガティブなイメージに繋がりやすいですが、隠さずに正直に伝えましょう。その際は、物件のアピールポイントや、「こういう風に生活すると快適ですよ」といった具体的な提案をすることも重要です。

     

    たとえば、この窓は西日がきついので遮光カーテンをつけると良いとか、少し歩くと安いスーパーがある、などといった提案です。隠すよりも物件のネガティブな面に向き合っている姿勢を示すと買主からの信頼を得られるでしょう。

     

    特に離婚による売却は珍しくもなく、むしろ多いぐらいなので、隠す必要はありません。購入希望者の中には縁起をかつぐ方もいらっしゃるので、離婚で売却された物件は買いたくないという場合もありますが、隠すよりも正直に伝えた方がスムーズに売却が進む可能性が高いです。

     

    4.知識を身につけて不動産会社に丸投げしない

    不動産の売却手続きは基本的に仲介会社に委ねることができますが、売却での成功を望むなら、基本的な不動産売却の知識を身につけておくことが重要です。自身で売却の流れや物件の相場、周辺地域の情報の収集をしておき、不動産会社に完全に頼り切らないようにしましょう。

    同時に、買主の視点を考慮することも重要です。物件の魅力や内覧時に注目されるポイント、不安や質問が出る可能性がある事柄などを買主目線で考え、それに基づいて物件を魅力的にアピールする工夫が求められます。

     

    5.売れにくい物件は専任媒介契約で売る

    「都市部から離れている」「駅からの距離が遠い」など、売れにくいと感じる物件には、専任媒介契約がおすすめです。

    「売れにくい物件なら、複数の不動産会社と契約すれば早く売れるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には専任媒介の方が多くの場合において有利なのです。

    一般媒介契約では、複数の不動産会社が関与するため、売却に積極的に取り組みにくくなり、結果的に売却期間が延びる可能性があります。専任媒介契約では、売主が一社に売却を委託することで、その不動産会社が独占的に売却活動を行います。これにより、迅速な売却が期待できます。

     

    6.物件をきれいにしておく

    物件をきれいにしておくことは、査定や内覧の際にも大きな影響を与えます。

    一見するだけで気持ちよく感じる清潔な状態は、買い手に好印象を与えるだけでなく、物件の魅力を引き立てます。床や壁、窓など、細部にわたり手入れを怠らず、不要な物は片付けることで、広々とした印象を醸し出します。

    物件の魅力を引きてる方法としては、以下の方法があります。すべて実行できなくても、徹底的に掃除をして清潔感を大事にしましょう。

     

    ・荷物を一時的にトランクルームに預ける

    家の中がきれいであっても、物が多いと魅力的に見えません。物が多い方は、一時的にトランクルームに預けることをおすすめします。

     

    ・ハウスクリーニングを頼む

    内覧者がイメージダウンする原因として一番多いのは水回りの汚さです。費用はかかりますが、水回りだけでもハウスクリーニングを検討してみてはいかがでしょうか。

     

    ・水回りだけでもリフォームする

    ハウスクリーニングよりもさらに費用はかかりますが、汚れや劣化がひどい場合は水回りだけでもリフォームしても良いかもしれません。バスルームを丸ごと新しくする場合、おおよそ150万円ほど。水回り全体を一新する場合には、約200万円程度の費用がかかります。

    2.家が売れやすいタイミング

    .売却で成功するためのポイント売れやすいタイミング_chapter2

    売り時を見逃さないためには、家の売却タイミングを見極めることが不可欠です。特に悩まれるのが「今、売却しても大丈夫なのか?」という疑問。この章では、家が売れやすいタイミングを解説します。

     

    1.成約件数が多いのは3月

    賃貸繁忙期は1~3月と言われていますが、売買においては季節よりも需要の変動が少ない傾向があります。

    しかし、春は入学シーズンで引っ越しを考える人が多いため、12月後半~1月に物件を出すことが効果的です。この時期にPRを施すことで、早期に高値での売却が期待できます。

     

    2.マンションと築15年以内の一戸建ては早めに売る

    一戸建ては築10年、マンションは築15年を境に購入需要が急激に減少します。これは、物件が古くなるにつれてメンテナンスやリフォームの必要性が高まり、それに伴って購入に対するハードルが上がるためです。

    特にマンションは新築時のプレミア感が強く影響します。築浅であればあるほど、その新しさと良好な状態が需要を高め、高値での売却を容易にします。築15年以内の一戸建ても、早めに売却を検討することで市場での競争力を保ちます。

    以下は、築年数ごとのマンションと一戸建ての資産価値と需要についてのまとめたものです。マンションや築15年以内の一戸建てを所有している場合は、築浅の状態を活かし、早い段階で売却を検討すると良いでしょう。

     

    マンションの場合

    築年数

    資産価値

    需要

    築10年以内

    新築の8割程度

    需要が多く高値で売れやすい。

    築11~20年

    新築の6~7割程度

    劣化が気になる箇所が出てくる時期で、安く買いたい層に需要あり。

    築21~30年

    新築の4割程度

    修繕やリフォームによって価格が左右される。

    築30年超

    新築の4割以下

    人気エリアや利便性の高い物件は需要がありつつも、築浅の物件と比較すると資産価値が下がる。

    一戸建ての場合

    築年数

    資産価値

    需要

    築10年以内

    新築の5割程度

    需要は高い。さらに、省エネ住宅や人気のハウスメーカーが建てた住宅は、資産価値の下落幅が緩やかになることがある。

    築11~20年以内

    新築の2割程度

    築15年を目安に下落幅が緩やかになる。

    築20年以内

    新築の2割程度

    建物部分の資産価値はほぼなくなり、「古家付きの土地」として土地のみの価格で売買されるのが一般的。

     

    3.不動産価格が高騰している時に売る

    一般社団法人不動産協会「不動産関連データ」によれば、首都圏のマンション価格は2022年に6,288万円となり、前年比で0.4%上昇しました。2018年の平均価格から見ても、5年間で7.1%の上昇があります。

    特に注目すべきなのは、2021年時点で既に1990年の不動産価格バブル期を上回っているという点です。ただし、現在の値上がりは急激なバブルとは言えないため、1990年代のような急激な価格の下落は予測しづらい状況です。

    このような背景から、不動産価格が高騰している時期は、売却時に高い価格で取引できる可能性が高まります。購入希望者が増加し、需要が高まる中で売却を検討することで、良い条件での取引が期待できます。しかし、市況は変動するため、慎重な計画と柔軟な対応が求められます。

    3. 所有期間が5年以下の家を売る場合の注意点

    売却で成功するためのポイント売れやすいタイミング_chapter3

    家を所有していた期間が5年以下か5年超かで、所得税と住民税の税率が大きく異なります

     

    所有期間

    所得税率

    住民税率

    短期譲渡所得(5年以内)

    30.6%

    9%

    長期譲渡所得(5年超)

    15.315%

    5%

     

    上記の表を見ると分かるように、所有期間が5年以下か5年以上かで税率が約2倍もの差を生じます。特に注意が必要なのは、「5年以内」という認識の間違いです。所得税や住民税の計算は、「家を売却した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えていたかどうか」で判断されます。購入してからの住んでいた年数でなく、1月1日時点での所有期間が基準となるため、計算ミスには十分ご注意ください。

    4. まとめ

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    不動産売却時の流れを詳しく解説サムネ
    ■住活コラム

    不動産売却時の流れを詳しく解説!

    【目次】

    1.売却する時の全体的な流れ

    不動産売却時の流れを詳しく解説_chapter1

    まずは、不動産売却する時の全体的な流れを説明します。

     

    全体的な流れ

    期間(6ヶ月が目安)

    家の相場を調べる

    約2週間~1ヶ月

    査定依頼をする

    媒介契約を結ぶ

    売り出し価格を決める

    売却活動スタート

    約3ヶ月

    内覧対応

    売買契約を結ぶ

    引き渡し・決済

    約1~2ヶ月

     

    仲介で売却する場合、一般的に3~6ヶ月かかると考えておきましょう。

     

    最初の段階では不動産会社の選定や査定依頼、媒介契約の締結に1~4週間かかります。その後、買主を見つけるための売却活動や内覧対応などが1~3ヶ月かかり、最終的に売買契約が成立します。取引が進んだ後も、物件の引き渡しと決済には1~2カ月ほどの期間が必要です。

     

    ただし、買主探しが難航すれば、さらに時間がかかることもありますし、特定の不動産によっては隣接する不動産との境界線を明らかにするために測量が必要な場合もあり、その際も時間がかかる可能性があります。

    2.売却までの8つのステップ

    不動産売却時の流れを詳しく解説_chapter2

    売却活動の流れは、主に以下の8ステップです。

     

    1.物件の相場を調べる

    売却活動を始める前に、自分の物件がいくらで売られているのか相場を調べておきましょう。相場を調べるには、「レインズマーケットインフォメーション」と「土地総合情報システム」で調べる方法があります。

     

    ・レインズマーケットインフォメーションで調べる

    レインズマーケットインフォメーションは、公益財団法人不動産流通機構が運営している全国の不動産取引情報を閲覧できるサイトです。通常の「レインズ」とは異なり、不動産会社に限らず一般の方も利用可能です。ただし、具体的な不動産取引の詳細情報は表示されず、成約時期や築年数などの詳細は伏せられています。利用者は以下の項目を調べることができます。

     

     

    価格:百万円単位で表示され、十万円単位を四捨五入。

    単価:万円/m2で表示され、小数点以下は四捨五入。

    面積(建物・土地): 実際の面積に20m2の幅を持たせて表示される。面積が200m2を超える場合は「200m2超」と表示される。

    築年数:実際の築年に2年の幅を持たせて表示される。

    成約時期:成約された年月を3カ月で区切った範囲で表示される。

     

    ・土地総合情報システムで調べる

    土地総合情報システムは、国土交通省が管理している不動産の取引価格や地価公示、都道府県地価調査の価格が閲覧できるサイトです。このサイトも、レインズマーケットインフォメーションと同じく、一般の方でも利用可能ですが、物件の詳細情報は非表示となっています。

    掲載されている物件の内容には、「所在地」「最寄駅」「取引総額」「坪単価」「面積」などが含まれています。ただし、物件の所在地に関しては、町名までしか表示されません。

     

     

    2.査定依頼をする

    不動産会社の査定には、「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」があります。

    それぞれの特徴は以下のとおりです。

    簡易査定…実際に不動産を見ずに、物件概要などから簡易的に査定する方法。

    訪問査定…実際に不動産を見て査定する方法。

    簡易査定は手軽で結果が素早く出ますが、訪問査定に比べて査定価格の正確性には限りがあります。一方、訪問査定は時間がかかる(1~2日後、最大でも1週間以内)ものの、より詳細かつ正確な査定が期待できます。

     

     

    3.媒介契約を結ぶ

    売却を仲介してもらいたい不動産会社が決まったら、媒介契約を結びます。媒介契約には以下の3種類があります。

     

    ・一般媒介契約

    一般媒介は、不動産取引において売主が複数の不動産会社に同時に物件の仲介を委託する契約形態を指します。複数の不動産会社による同時仲介が可能であり、販売活動の競争を生む一方で、不動産会社側から見ると、「他社で成約してしまう可能性があるため売却活動に熱が入りにくい」という心理も存在します。

     

    ・専任媒介契約

    特定の不動産会社にのみ売却の仲介を依頼する契約形態です。他の不動産会社に同時に依頼することはできません。この契約では、一つの不動産会社が専念的に販売活動を行うため、売却の進捗管理やマーケティングが一貫して行われるメリットがあります。

     

    ・専属専任媒介契約

    一番厳格な契約形態で、特定の不動産会社に対して独占的に売却の仲介を依頼する契約です。他の不動産会社への依頼は一切認められません。自力で買主や借主を見つけたとしても、その取引は不動産会社を介したものとみなされ、仲介手数料が発生します。売主の自由度が制約される面もありますが、その分、売却が早く決まる可能性が高まるとも言えます。

     

    4.売り出し価格を決める

    売出し価格は「売主の希望価格」で、成約価格は「売買が成立したときの価格」です。売出し価格のまま売れるとは限りません。むしろ、中古物件の売買では値引き交渉されることが通常です。

    相場と査定額を参考に、売り出し価格を決めていきましょう。値引きされることを想定して、価格設定を高めにする方もいらっしゃいますが、このような方法はあまりおすすめできません。

    「この物件を買いたいけど、もう少し安くなりませんか」と購入希望者から価格交渉をされた時に値下げをして、結果的に売れるなら問題ないです。

    しかし、実際には高い価格で売りに出したら購入希望者が現れないケースがほとんどで、そうなるとポータルサイトに載せてある売り出し価格を下げることになります。物件を閲覧している側から見ると、「売れ残り感」が出てマイナスイメージが強くなってしまいます。最初から相場に近い売り出し価格を設定しておきましょう。

     

    5.売却活動スタート

    いよいよ売却活動のスタートです。不動産会社が売却活動をする際、主に以下の方法で物件情報をPRします。

     

    ・不動産ポータルサイトへの掲載

    主要な不動産情報サイトやポータルサイトに物件情報を掲載し、広く検索されやすくします。魅力的な写真や物件詳細などを掲載して、オンラインでの物件検索者にアピールします。

     

    ・物件チラシのポスティング

    不動産会社が作成した物件チラシを地域のポスティングに活用し、興味を引くような情報をわかりやすく掲載します。

    PR力がない不動産会社は、掲載する写真が下手だったり、物件のアピールポイントを魅力的に説明できなかったり、ポスティングの数も少ないことがあります。いくら物件が魅力的であっても、売却活動が適切でなければ買主は現れません。

    特に一般媒介の場合は、「他社で成約するかもしれない」という不動産会社側の心理が働き、売却活動に熱が入りにくいことがあります。

     

    6.内覧対応

    中古物件の購入希望者の多くは、古くて生活感がある物件が欲しいわけではなく、「できるだけ新築に近いきれいな物件」が欲しいと考えています。ご自身がフリマアプリなどで商品を買う時の心理を思い出すと分かりやすいでしょう。

    たとえ築年数が古くても、きれいに管理してある物件は好印象です。逆に言えば、築浅の物件であっても管理や清掃が行き届いていなければ、買い手はなかなかつきません。

    特に注意したいのは、水回りです。できればプロに頼んでクリーニングしてもらいましょう。とにかく生活感をなくすことが重要です。掃除ももちろんですが、物が多いのもいけません。物が多い方は断捨離をするか、一時的にトランクルームに預けるのもおすすめです。

     

    7.売買契約を結ぶ

    買主との交渉がまとまったら売買契約を結びます。契約書の内容を確認し、不動産の基本情報や売買金額、引き渡し日、その他の条件に誤りがないかを確認しましょう。

    また、買主から手付金をこの段階で受け取ります。手付金の金額は買主との協議に基づきますが、通常は売買価格の10%が相場です。残りの金額は引き渡しの際に受領します。

    買主だけではなく、売主も支払う費用があります。代表的な費用は仲介手数料です。不動産会社に売却活動をしてもらい、成約となった場合は、不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介手数料の上限は、以下の表のとおりです。

     

     

    売買価格(税込)

    料率(税抜)

    200万円以下の部分

    5%

    200万円超400万円以下の部分

    4%

    400万円超

    3%

     

    不動産の売買取引では、200万円を超えることが多いかと思います。そのため、仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」となります。

    仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約が成立した時点で50%、引き渡し完了時に残りの50%を支払います。

     

    8.引き渡し・決済

    通常、売買契約から約2週間から2ヶ月後に、引渡しと決済が同日に執り行われます。場所は買主の住宅ローンが取り決められた金融機関で、平日の午前中に実施されることが一般的です。

     

     

    ・引渡し

    買主が売主に売買代金を支払い、売主は売買代金の受領と引換えに買主に物件を引き渡します。引渡しといっても物件そのものは動かすことができないため、当日は家の鍵や書類の受け渡しを行います。

    ・決済

    買主が売主に売買代金(手付金を引いた残代金)を支払います。住宅ローンを利用する場合は、指定口座に入金されます。

     

    引き渡しの際、具体的に渡すものは以下のとおりです。

    ・物件の鍵

    ・新築時の図面一式

    ・設備のパンフレットや説明書

    ・建築確認通知書

    ・マンションの場合は組合規約

    3. まとめ

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    独身で家を購入するメリットデメリット

    【目次】

    1.家を購入することに向いている独身者の特徴

    chapter1

    独身者が家を購入する際に向いている特徴は、個々の状況や希望によって異なりますが、一般的な考慮事項は以下のとおりです。

     

    ・家賃がもったいないと感じる人

    賃貸では毎月家賃が発生しますが、持ち家の場合は住宅ローンの返済がかかります。両者とも毎月の住居にかかる費用は固定ですが、持ち家の場合は自分の資産に投資していることが大きな違いです。

    独身者が1人暮らしの場合は、比較的低い家賃の物件を選ぶことが一般的ですが、何十年も続く家賃支払いは結局高額な出費になります。そのため、賃貸の家賃がもったいないと感じる人は、結果的に家を購入することを選ぶ傾向があります。

     

    ・経済的に安定している人

    家を買う時は住宅ローンを利用する方が多数です。そのため、社会的な信用が高く、信用情報に問題がない経済的に安定している独身者が、家の購入を決断しやすい傾向があります。

    2.独身で家を購入するメリット

    chapter2

    独身で家を購入するメリットをみていきましょう。

     

    1.老後も住居の心配をしなくて良い

    独身者が家を購入する魅力の一つは、老後において住居の心配をしなくて良いという点です。老後は、定期的な収入が減少することが一般的です。しかし、住宅ローンさえ完済できればあとは毎年固定資産税を払えばよいだけです。自分の家を所有していれば、住居費の支出が相対的に安定しやすくなります。

     

    2.自分の資産になる

     賃貸ではどれだけ家賃を支払っても物件は自分のものになりませんが、持ち家は資産として残ります。将来的には家を売却して現金化するか、そのまま家賃収入として利用することもできます。

     

    3.賃貸よりも広い家に住める可能性がある

    購入する際、家賃と比べてローンの月々の支払いの方が安くなることがあり、これにより賃貸よりも広い家に住める可能性があります。

    独身向けの狭小住宅なら敷地面積が狭いので、税金負担が軽減できるのも魅力的です。

    3. 独身で家を購入するデメリット

    chapter3

    独身で家を購入する時にはデメリットもあります。

     

    1.転勤や異動があった場合、住み替えが大変

    独身で家を購入する際のデメリットとして挙げられるのは、転勤や異動が発生した場合、住み替えが大変であることです。

    購入した家を手放すためには、売却手続きや市場動向の調査が必要となり、これが時間と手間を要することがあります。そのため、独身者が家の購入を検討する際には、将来の転勤や異動の可能性にも注意を払う必要があります。

     

    2.今後結婚した場合、家が狭く感じる

    独身の時点でのライフスタイルに合わせて選んだ家が、家族構成の変化に伴い不十分になることがあります。

    この場合、新しい住まいを検討するか、現在の住まいをリフォームする必要が生じ、これには追加の手間や費用が発生する可能性があります。パートナーがいる方は、購入の際に将来の変化を見越して検討することが重要です。

     

    3.経済的負担を感じる可能性がある

    住宅ローンや維持費、固定資産税など、家を所有するにはさまざまな経済的な負担がかかります。独身者がこれらの費用を払うには、収入や将来の経済状況に対する十分な計画が必要です。思いがけない出費や経済的な変化に備え、慎重な検討と資金計画が欠かせません。

    4. 独身で家を購入する時のポイント

    chapter4

    独身で家を購入する時におさえておきたいポイントをいくつか説明します。

     

    1.利便性の高いエリアを選ぶ

    独身者が家を購入する際の重要なポイントの一つは、利便性の高いエリアを選ぶことです。

    購入する住まいが交通アクセスや生活インフラに恵まれた場所に位置していると、仕事や趣味の活動、日常生活がスムーズに行えます。たとえば、医療施設、飲食店、ショッピングモール、公園などが揃っていると、生活の質が向上し、将来的な住み心地も期待できます。また、将来的な転勤や生活スタイルの変化にも柔軟に対応できるよう、検討段階で地域の発展性や魅力を確認することも大切です。

     

     

    2.セキュリティがしっかりとした物件を選ぶ

    特に、女性の一人暮らしの場合は、セキュリティが万全な物件を選びましょう。オートロック完備などセキュリティ面で安心なマンションがおすすめです。一戸建ての場合は、自分でセキュリティ対策をすることも大切ですが、治安の良いエリアを選ぶようにしましょう。

     

    3.将来、売却や賃貸に出すことも考えておく

    デメリットでも述べましたが、今の時点では独身であっても、結婚によって、家が手狭に感じられる場合もあるでしょう。その際、持ち家を手放すか賃貸に出す可能性があることも視野に入れておく必要があります。独身で家を買う際は、将来的にスムーズな不動産取引を行えるよう、資産価値や市場動向に注意を払うことも重要です。

    5. 独身で家を買うならマンション?一戸建て?

    chapter5

    独身者が選ぶ持ち家といえば、マンションというイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、一戸建てという選択肢もあります。この章では、独身者にとってのマンションと一戸建てのメリットデメリットを説明します。

     

    1.独身者にとってのマンションを購入するメリットデメリット

    独身者がマンションを購入する場合、どちらかというとメリットの方が多いかと思います。賃貸経験者は分譲マンションでもスムーズに生活リズムを築けるでしょう。

    まず、メリットとして挙げられるのは利便性の高さです。マンションは都心部に位置することが多く、交通アクセスに優れています。オフィス街や多様な生活施設へのアクセスが容易であり、共用施設の利用やセキュリティ面の強化、24時間利用できるゴミ捨て場など、生活の快適さを向上させる仕組みも整っています。

    さらに、マンションは一戸建てと比較して資産価値が安定しやすいという特徴もあります。不動産市況の変動にも比較的強く、将来的な売却や賃貸においても柔軟に対応できます。

    一方で、マンションの購入にはデメリットも検討しなければなりません。まず、管理費や修繕積立金などの共益費用が発生するため、ランニングコストが高くなりがちです。車を所有している場合は、マンション内か外部の駐車場を借りることになりますので、その費用もかかります。

     

    2.独身者にとっての一戸建てを購入するメリットデメリット

    一戸建てはファミリー向きのイメージがありますが、独身者に適した一戸建ても多数あります。イメージだけで選択肢から外してしまうのはもったいないですよ。特に車を所有している方やDIYを楽しみたい方には一戸建てがおすすめです。

    まず、メリットとして挙げられるのは、狭小住宅なら比較的手頃な価格で購入できる点です。小さい敷地や建物なら、マンションに比べてコストが低くなり、手ごろな価格で不動産を所有することができます。

    また、一戸建てはマンションに比べてプライバシーが確保しやすく、ペットの飼育やDIYなども自由に楽しめるメリットもあります。駐車スペースがある物件なら、駐車場を借りる手間と費用も不要です。

    一方で、一戸建ての購入にはデメリットも考慮しなければなりません。まず、メンテナンスや修繕が個人の責任となるため、予期せぬ出費が発生する可能性があります。また、狭小住宅を買ったとしてもマンションよりは土地や建物の広さが増すため、掃除や管理が手間となり、時間の制約が生じることも考えられます。

    さらに、移動やアクセスの面では、一戸建てはマンションに比べて効率が悪い点と、将来的に売却や賃貸に出す場合は、マンションよりも需要が少ない点もデメリットとして挙げられます。

    6. 独身で住宅ローンを組む時の注意点

    chapter6

    独身で住宅ローンを組む際には、注意が必要なポイントがいくつかあります。

     

    ・返済計画は慎重に

    独身者であっても既婚者であっても同様ですが、住宅ローンを組む時は、将来の安定収入を見据え、返済計画を慎重に考える必要があります。収入が不安定である場合や将来の収入見通しが立てにくい場合は、無理な借り入れは避けるべきです。

     

    ・自分だけの信用や収入で審査される

    独身者は世帯収入が自分1人の収入と同等であるため、収入の水準が重要な審査要素となります。高い収入を持つ方は有利ですが、共働き世帯よりも不利な側面もあります。

     

    ・緊急時のリスクに備えておく

    団体信用生命保険に加入していれば、万が一のことが起こった場合、住宅ローンはゼロになります。しかし、病気や怪我、リストラなどで失業してしまう可能性は誰にでもあります。共働き世帯であれば、パートナーに支えてもらえますが、独身者は自分一人で対応しなければなりません。緊急時に備え、保険の加入や緊急時のファイナンシャルプランを立てておくことをおすすめします。

    7. まとめ

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    345.フラット35と民間ローンの違いサムネ
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    親から相続した不動産を売却したい②【税金や特例】

    【目次】

    1.金利の基礎知識

    金利の基礎知識の画像

    まずは、金利の仕組みをおさらいしておきましょう。

    【金利のタイプ】

     

    特徴

    メリット

    デメリット

    向いている人

    変動金利型

    借入期間中に金利が変動する。原則として、半年ごとに金利が見直され、5年ごとに返済額に反映される。

    ・固定金利よりも金利が低い

    ・金利が上昇しなければ固定金利よりも返済額は少ない

    ・金利上昇のリスクがある

    ・金利が上昇すれば、返済額が高くなる

    ・金利の動向をこまめに確認できる人

    ・返済期間が短い、借入金額が少ない人

    ・金利が上昇して返済額が増えても経済的に余裕がある人

    全期間固定金利型

    借入期間中、ずっと金利が変わらない。

    ・返済額が変わらないので将来のライフプランがたてやすい

    ・金利が変わらない安心感

    ・変動金利よりも金利が高い

    ・今後、金利が低くなれば変動金利よりも返済額が多くなる

    ・安定した資金計画を立てたい人

    ・今後、教育費などで支出が多い人

    固定期間選択型

    3年、5年、10年など固定金利の期間が決まっていて、期間終了後に適用金利を選択する。

    ・固定期間中は毎月返済額が増えない安心感がある

    ・固定期間経過後に金利が下がっていれば、低い金利を享受できる

    ・固定する期間が長くなればなるほど、金利は高くなる

    ・固定期間経過後に金利が上がっていた場合、返済額が増える

    ・教育費がかかる一定時期だけ返済額を安定させたい人

    ・車のローンなど、返済が重なる時期だけ返済額を抑えたい人

     

    【返済方式】

     

    住宅ローンの返済には「元利均等返済」と「元金均等返済の2種類があります。名前が似ているものの、中身はかなり異なります。

    元利均等返済:月々の元金と利息の合計額を一定に保ちながら返済していく方法です。合計額が一定なので、支出の計算が容易です。ただし、元金の返済ペースが元金均等返済よりも遅いため、総支払額は多くなります。

     

    元金均等返済:月々の元金の返済額を一定に保ちながら返済していく方法です。元金の返済スピードが速いのが特徴で、借入当初の月々の返済額は多くなりますが、元金を早く返済したい方には向いています。

    2.住宅ローンの種類

    住宅ローンの種類のイメージ画像

    1.住宅ローンの種類

    公的ローンと民間ローンの特徴は以下のとおりです。

     

    ・公的ローン

    国や自治体などが提供する住宅ローンです。「財形住宅融資」「自治体融資」が該当します。

     

    ・民間ローン

    民間の銀行や保険会社などが提供する住宅ローンです。都市銀行・地方銀行、信用金庫・農協など、各金融機関が提供しているローンの他、不動産会社やハウスメーカーが金融機関と提携している「提携ローン」が該当します。

    特徴は以下のようになります。公的ローンに分類される自治体融資については、自治体によって融資の条件が異なります。各自治体のホームページなどで確認ください。

     

     

    公的ローン(財形住宅融資)

    民間ローン

    審査

    比較的ゆるい

    比較的厳しい比較的厳しい

    勤続年数

    規定なし

    2〜3年以上

    年収

    規定なし

    200〜400万円以上

    ローンの取引履歴

    民間ほど重視しない

    (直近3ヶ月の間に延滞があると不可)

    非常に重視する

    (過去2年間に2回以上の延滞があると不可)

    選択金利

    期間選択型固定金利

    変動金利

    全期間固定金利

    期間選択型固定金利

    ミックス型

    借入限度額

    4,000万円(財形住宅融資)

    最大1億円

    年齢制限

    満18歳以上66歳未満(財形住宅融資)

    65歳

    団信の加入

    任意

    加入

    物件の技術基準の審査

    あり

    なし

     

     

    2.フラット35は行政が運営するローン

     

    フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱っている住宅ローンで、公的ローンと民間ローンの中間的な存在です。

    フラット35の特徴を挙げると、主に以下の4つが大きなポイントとなります。

    1. 人に対する審査基準はゆるめだが、住宅に対する審査基準が厳しい
    2. 金利は固定金利のみ
    3. 団体信用生命保険への加入は任意
    4. 保証料不要

    次項で詳しく解説します。

    3. フラット35と民間ローンの違い

    フラット35と民間ローンの違いのイメージ画像

    それでは、フラット35と民間ローンの違いを解説します。

     

    1.審査基準

    フラット35と民間ローンの違いは、審査基準において顕著に現れます。

    民間ローンでは、返済負担率だけでなく、勤続年数や勤務形態も審査対象となり、収入の安定性が強く重視されるため、審査が通りにくいことがあります。一方で、フラット35は借り手の信用履歴や収入などには柔軟な審査が行われつつも、不動産の価値や担保価値には高い基準が設けられています。これは、「長期間、安全に住める住宅を増やしたい」という住宅金融機構の意向によるものです。

    フラット35の審査基準についてはこちらからご確認ください。

     

    申込要件

    https://www.flat35.com/loan/flat35/conditions.html

    【フラット35】の対象となる住宅・技術基準

    https://www.flat35.com/loan/tech.html

     

    2.金利

    民間の住宅ローンでは変動金利型や固定期間選択型から返済方法を選べますが、フラット35全期間固定金利が唯一の選択肢です。

    さらに、フラット35は、頭金が1割用意できない場合は金利が更に上昇することになります。具体的な金利の違いは、以下のようになります。

     

    借入期間

    15~20年

    21~35年

    フラット35

    (頭金1割以上)

    年1.430%

    年1.910%

    フラット35

    (頭金1割未満)

    年1.570%

    年2.050%

    ※2023年12月適用金利

     

    選択できる金利が固定だけなので、変動金利と比べると返済額が高くなってしまいます。フラット35の2023年12月時点での金利と民間ローン(みずほ銀行)の変動金利型と比較をしてみましょう。

     

     

    適用金利

    毎月の返済額 

    総返済額

    (諸費用は除く)

    フラット35

    年1.910%

    88,198円     

    40,043,406円

    (頭金300万円含む)

    民間ローン(みずほ銀行:ネットローン)

    年0.375%

    76,229円     

    32,016,270円

    総返済額の差額

    ▲11,969円

    ▲8,027,136円

    借入金額3,000万円・返済期間35年間

     

    フラット35の場合、頭金を1割(300万円)用意しても毎月の返済額は民間ローンよりも毎月1万円ほど高くなります。さらに総返済額の差額は800万円となります。固定金利なので安定感はありますが、少しでも返済額をおさえたいという人には民間ローンの変動金利型の方が向いています。

     

    3.団体信用生命保険

    団体信用生命保険(団信)は、住宅ローン契約者が死亡または高度障害に陥った場合にローンの支払いが免除される保険です。

    フラット35では、団体信用生命保険(団信)への加入は任意ですが、民間ローンでは団信に加入しなければ住宅ローン契約が成立しません。

    高齢者や健康に不安のある方にとっては団信に加入しなくてもフラット35が利用できるという利点があります。ただし、もしもの場合に備えて生命保険でカバーすることも重要です。生活状況や健康状態に合わせて、適切な保険に加入することをおすすめします。

    フラット35で加入できる団信は以下の2タイプです。

     

    ・新機構団信

    ・新3大疾病付機構団信

     

    新3大疾病付機構団信は、基本プランの「新機構団信」と医療と介護の保障が加わったタイプの団信です。詳しくはこちらからご確認ください。

     

    4.保証料

    民間の住宅ローンでは保証料が無料の場合もありますが、通常は借入金額の約2%が相場とされています。さらに、審査の結果に応じて、連帯保証人などが求められることもあります。それに対し、フラット35は保証料も不要で保証人も不要です。

    ちなみに、融資を受ける際の事務手数料については、金融機関ごとに異なる設定があります。フラット35と民間ローン、どちらが高いかは一概に言えません。事務手数料の相場は、借入金額の約2%程度か、あるいは3万円から30万円の範囲で設定される場合もあります。

    4. フラット35のメリットデメリット

    フラット35のメリットデメリットのイメージ画像

    次に、フラット35のメリットデメリットをみていきましょう。

     

    1.フラット35のメリット

    メリットは以下のようになります。

     

    ・金利が変わらない固定金利なので資金計画が立てやすい

    フラット35は全期間が固定金利型しか選択できないため、返済中に金利の変動リスクを受けません。この特徴から、変動金利や固定期間選択型の住宅ローンと比較して、より計画的な返済が可能です。

     

    ・団体信用生命保険に加入しなくてもよい

    フラット35では、団信への加入が任意となっているため、健康に不安がある方でも安心して住宅ローンを組むことができます。団信に加入しない場合は金利が引き下げられ、その結果、住宅ローンの返済額も軽減されます。この柔軟性が、フラット35の魅力の一つと言えるでしょう。

     

    ・個人事業主や転職直後の人でも審査に通りやすい

    フラット35は、民間ローンに比べて審査が緩い傾向があります。年収基準や返済負担率などの条件をクリアすれば、個人事業主や最近転職したばかりで勤続年数が短い方でも審査に通りやすいとされています。

     

    2.フラット35のデメリット

    続いて、デメリットです。

     

    ・変動金利型よりも金利が高い

    フラット35の最も大きなデメリットは、適用金利の高さです。変動金利型と比較すると、フラット35の金利は高めなので、現在の超低金利が返済終了まで続く場合は、変動金利を選んだ方がお得になります。

     

    ・住宅に対する審査基準が厳しい

    フラット35の審査は借入者に対しては比較的緩い傾向がありますが、一方で購入対象となる住宅には厳しい基準が適用されます。住宅金融支援機構が定めた技術基準をクリアする必要があり、これを確認するためには指定機関による物件検査が不可欠です。建築基準法に基づく検査済証を入手するため、手数料が発生し、これは個人負担です。もし技術基準を満たせない場合、フラット35を利用することは難しくなります。

    ただし、省エネ性能や耐震性、バリアフリー性、耐久性などの性能基準をクリアした住宅であれば、金利を引き下げられる「フラット35S」を利用することができます。これにより、より良い住宅を手に入れる際の負担が軽減されます。

     

    ・繰り上げ返済の最低金額が高い

    現在、多くの銀行では1円からの繰り上げ返済が可能となっています。しかし、フラット35の場合は、ネット銀行を含む様々な銀行で最低10万円、窓口での繰り上げ返済は最低100万円からとなっています。ただし、手数料は無料なため、まとめて繰り上げ返済を行う場合にはデメリットはほとんどありません。

    5. まとめ

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    親から相続した不動産を売却したい②サムネ
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    親から相続した不動産を売却したい②【税金や特例】

    【目次】

    1.相続した不動産を売却すると税金がかかる

    不動産売却にかかる税金のイメージ画像

    最初に、不動産を売却した時にかかる税金について説明します。

     

    1.印紙税

    印紙税は、金銭取引に関する契約書や領収書、有価証券などに課される税金です。

    不動産売却時には、売主と買主が売買契約書を交わす際に、契約書に記載された売却価格に応じた金額の収入印紙を貼り付けて納付する必要があります。

    令和6年3月31日までの期間に作成された売買契約書には、軽減税率が適用され、税額は以下のとおりです。

     

    取引金額

    本来の印紙税

    軽減後の印紙税

    10万円超50万円以下

    400円

    200円

    50万円超100万円以下

    1,000円

    500円

    100万円超500万円以下

    2,000円

    1,000円

    500万円超1,000万円以下

    10,000円

    5,000円

    1,000万円超5,000万円以下

    20,000円

    10,000円

    5,000万円超1億円以下

    60,000円

    30,000円

    1億円超5億円以下

    100,000円

    60,000円

    国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」を参考に作成

     

    2.譲渡所得税

    不動産売却して利益が出たことを譲渡所得といいます。譲渡所得は、給与所得や事業所得などと同様に、所得税と住民税が課せられます。これを「譲渡所得税」と呼びます。

    いくらかかるのかは条件によって異なりますので次項で詳しく解説します。

    2.譲渡所得税の計算方法

    税金計算のイメージ画像

    この項目では、譲渡所得税の計算方法について詳しく解説します。

     

    1.譲渡所得にかかる所得税と住民税は所有期間によって異なる

    譲渡所得にかかる所得税と住民税は、売却年によって税率が異なり、所有期間が5年以下か5年以上かによって短期と長期に区分されます。

    短期の場合は最高で39.63%の所得税と9%の住民税がかかり、長期の場合は所得税率が最高20.315%、住民税率が5%となります。所有期間が10年以上の場合には、軽減税率の特例が適用されることもあります。

     

    不動産を所有していた期間

    区分

    短期

    長期

    期間

    5年以下

    5年超

    10年超所有軽減税率の特例

    居住用

    39.63%

    所得税30.63%

    住民税 9%

    20.315%

    所得税5.315% 

    住民税 5%

    ①課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21%(所得税10.21%・住民税4%)

    ②課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315%(所得税15.315%・住民税5%)

    非居住用

    39.63%

    所得税30.63%

    住民税 9%

    20.315%

    所得税15.315%

    住民税 5%

    ※2013年~2037年までは復興特別所得税として所得税額の2.1%が加算されます

     

    たとえば、売却価格が3,000万円で取得費が2,400万円、さらに譲渡費用が200万円の場合、譲渡所得は「3,000万円−2,400万円−200万円」で400万円となります。

    所有期間に応じた所得税と住民税の計算式を以下に示します。

     

     

    ・所有期間5年以下の場合

    400万円×39.63%=158万5200円(所得税122万5200円+住民税36万円)

     

     

    ・所有期間5年超の場合

    400万円×20.315%=81万2600円(所得税61万2600円+住民税20万円)

     

     

    ・所有期間10年超の場合(軽減税率の特例を適用する場合)

    400万円×14.21%=56万8400円(所得税40万8400円+住民税16万円)

     

     

    2.譲渡所得税の計算式

    譲渡所得は、売却価格そのものが利益になるわけではありません。不動産を購入した際の費用(取得費)と売却した際の費用(譲渡費用)を、売却金額から差し引いて、その差額が譲渡所得となります。

    譲渡所得を計算式で表すと以下のようなります。

     

    売却益(譲渡所得)= 売却価格

     売却価格から以下の3つの費用を差し引く 

    ①  物件の購入価格から減価償却費※を引いた価格(購入したときの価格)

    ②  購入したときの費用(取得費)

    ③  売却したときの費用(譲渡費)

    ※減価償却の計算式

    減価償却費 = 建物購入価額×0.9×償却率×経過年数

    (経過年数は築年数ではなく、購入の引渡から売却の引渡までの所有期間を表します)

     

    3.取得費と譲渡費

    取得費と譲渡費は、以下のものが該当します。

     

     

    ・取得費(不動産を購入したときの費用)

    取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。建物の取得費は、購入代金又は建築代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

    (1)土地・建物の購入代金

    (2)建築代金

    (3)購入時にかかった税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税など)

    (4)仲介手数料

    (5)測量費

    (6)整地費・建物の取り壊し費用など

    (7)設備費

    (8)改良費

    (9)一定の借入金利子

     

    参考:国税庁のホームページ「No.3252 取得費となるもの」

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3252.htm

     

     

    ・譲渡費(売却したときの費用)

    修繕費や固定資産税など、その資産の維持や管理のためにかかった費用や売却した代金の取立てのための費用などは譲渡費用に含まれません

    (1)土地や建物を売るために支払った仲介手数料

    (2)印紙税で売主が負担したもの

    (3)貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料

    (4)土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額

    (5)既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で売るために支払った違約金。これは、土地などを売る契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。

    (6)借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

     

    参考:国税庁のホームページ「No.3255 譲渡費となるもの」

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm

    3. 税額を抑えられる特例

    節税のイメージ画像

    次に、売却で発生する税金負担を抑えられる特例を紹介します。

     

     

    1.空き家の譲渡所得の特例

    空き家の譲渡所得の特例は、相続で取得した空き家を売却した場合に、得た利益(譲渡所得)から最大で3,000万円を控除できる制度です。

    最大で3,000万円までが控除されるということは、譲渡所得がゼロになることもあります。非常に魅力的な制度ではありますが、要件が厳しく利用者は多くありません。

    具体的な要件は以下のとおりです。令和5年度税制改正で内容が2点変更されています。

     

    ①昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準の家屋であること)

    ②被相続人が1人で住んでいた自宅であること(別荘等は不可)

    ③売却金額(譲渡価額)が土地建物合計で1億円以下であること(共有で譲渡する場合は総額で1億円以下)

    ④家屋付で譲渡する場合は、譲渡時に耐震基準に適合していること

    ⑤相続発生後、ずっと空き家であること(誰かに貸したり、住んだりしていないこと)

    ⑥(改正)相続開始の日から3年目の12月末までに譲渡すること、かつ2027年 12月末までに譲渡を行うこと→税制改正により、特例の適用期間が4年間延長

    ⑦(改正)更地で譲渡する場合は、譲渡時迄に売主側(譲渡側)で取壊しを行うこと→税制改正により、買主側での取壊しも可

     

    2023年12月31日までとされていた特例の適用期間が2027年12月31日まで延長され、譲渡後の耐震改修工事や取壊しを行った場合も適用されるようになりました。この拡充については令和6年1月1日以降の譲渡が対象です。

    令和5年度税制改正の概要については、以下のリンクからご確認ください。

    令和5年度税制改正の概要(空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充・延長)

    https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001617701.pdf

     

     

    2.相続税の取得費加算の特例

    相続税の取得費加算の特例は、相続後3年10ヶ月までに相続した不動産を売却した場合に、相続税額の一定金額を取得費に加算する制度です。

    ひとつ前に紹介した「空き家の譲渡所得の特例」よりも条件がゆるめなので、空き家の特例が適用できない場合はこの特例を検討してみましょう。

    相続税の取得費加算の特例を利用すると、相続税の一部を取得費として計上することができます。不動産を売却した際には、譲渡所得に対して相続税がかかります。そのため、取得費が多ければ多いほど、相続税の支払い額が低くなる傾向があります。

    取得費の加算額は、相続税額と売却した不動産の価額に基づいて計算されます。具体的な計算式は以下のとおりです。

     

    取得費の加算額 = 相続税額 × 売却した不動産の価額 ÷(相続税の課税価格+債務控除額)

    譲渡所得 = 譲渡価額-(取得費+取得費の加算額+譲渡費用)

     

    相続税の取得費加算の特例を利用するためには、相続後3年10ヶ月以内に不動産を売却する必要があります。不動産の売却を検討している場合は、この特例を活用して節税効果を得ることができますので、早めの行動が重要です。

     

    3.3,000万円の特別控除

    「3,000万円特別控除」は、自宅を売却する際に最大3,000万円までの譲渡所得を控除できる制度です。この特例は、戸建てやマンション、または住んでいた家を取り壊した土地など、さまざまな物件に適用可能です。さらに、所有期間の長さに関わらず、適用を申請することができます。

    適用条件などについては以下のリンクからご確認ください。

    No.3302 マイホームを売ったときの特例

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

     

     

    4.マイホームを売った時の特例

    この特例は、所有期間が10年を超える自宅を売却した際に、税率を更に軽減できます。

    通常、所有期間が5年を超える不動産には、長期譲渡所得税率(所得税:15.315%、住民税:5%)が適用されます。しかし、この特例を利用すると、課税対象となる譲渡所得6,000万円以下まで、より低い税率が適用されます。

    特例を利用する場合、税率は譲渡所得金額の6,000万円以下と6,000万円を超える部分で異なります。詳細は以下のとおりです。

     

    譲渡所得

    所得税

    住民税

    合 計

    課税譲渡所得が

    6,000万円以下

    10.21%

    4%

    14.21%

    譲渡所得

    所得税

    住民税

    合 計

    課税譲渡所得が

    6,000万円超(6,000万円以下の部分)

    10.21%

    4%

    14.21%

    課税譲渡所得が

    6,000万円超(6,000万円超の部分)

    15.315%

    5%

    20.315%

     

    なお、この特例は先述の「3,000万円特別控除の特例」と併用可能です。

     

    適用条件などについては以下のリンクからご確認ください。

    「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm

     

     

    4. 併用できる特例とできない特例があるので注意!

    税制特を利用する注意点

    不動産を売却する際には、複数の節税特例を併用したいと考える方も多いでしょう。しかし、特例を併用できるものとできないものがありますので、事前に確認しておくことが重要です。

     

    以下に、今回紹介した特例の中で併用できるものとできないものを示します。

     

    特例

    併用可能な特例

    併用できない特例

    空き家の譲渡所得の特例

    ・マイホームを売ったときの特例、または特定のマイホームを買換えたときの特例のいずれか

    ・住宅ローン控除

    ・相続税の取得費加算の特例

    相続税の取得費加算の特例

    マイホームを売ったときの特例、または特定のマイホームを買換えたときの特例のいずれか

    ・空き家の譲渡所得の特例

    3,000万円の特別控除

    ・軽減税率の特例

    ・マイホームを買換えたときの特例

    住宅ローン控除

    マイホームを売ったときの特例

    ・3,000万円の特別控除

    ・マイホームを買換えたときの特例

    住宅ローン控除

    空き家の譲渡所得の特例と相続税の取得費加算の特例は、どちらか一方しか利用できません。条件に該当する場合、節税効果が高いのは空き家の譲渡所得の特例です。

     

    一方、3,000万円の特別控除の特例とマイホームを売ったときの軽減税率の特例は、併用ができません。ただし、住宅ローン控除との併用が可能なのは、売却した年の前後2年間に限られます。

    状況に応じて、どの特例を活用するかを検討することが重要です。利益が少ない場合は住宅ローン控除を活用する方が得策かもしれません。

     

    5. まとめ

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