住宅ローンの利息を大幅にカットする5つの方法
住宅ローンは、家を購入した後、長期間にわたる支払いが続くため、少しでも利息を削減する方法を見つけることが重要です。利息が少なくなれば、総支払額が減り、家計への負担を軽減できます。ここでは、住宅ローンの利息を大幅にカットするための7つの方法を詳しく解説します。
1.方法①住宅ローンの借り換え
現在の住宅ローンの金利が高いと感じているなら、借り換えを検討することは非常に効果的です。借り換えとは、現在のローンを別の金融機関で新たに組み直し、より低金利のローンに変更する方法です。
以下は、借り換えのメリットです。
・低い金利に切り替えられる
借り換えの最大のメリットは、現在より低い金利のローンに切り替えることで支払い総額を抑えられる点です。たとえば、金利2.5%のローンから1.5%のローンに借り換える場合、毎月の返済額が減るだけでなく、総支払額も大幅に削減できます。特に金利差が大きい場合や、残りの返済期間が長い場合に効果が高まります。金利が低いタイミングを見計らって借り換えを行うことで、家計全体に大きな余裕を生み出します。
・月々の返済額が軽減できる
金利が低いローンに切り替えると、月々の支払い負担を軽減できます。たとえば、毎月の返済額が12万円から10万円に減った場合、月々2万円の余裕が生まれます。この余剰分を貯蓄や他の支出に回すことで、生活全体にゆとりが生まれるでしょう。家計が厳しい状況にある場合は、負担軽減が生活の安定につながります。
・返済期間を短縮できる
同じ返済額を維持したまま金利を引き下げることで、ローンの返済期間を短縮できる可能性があります。借り換え後の低金利によって、従来の返済計画よりも早い段階で完済が見込める場合があります。これにより、早期に住宅ローンから解放され、将来のライフプランに柔軟性が持てます。
続いて、借り換えのデメリットです。
・手数料や費用の発生する
借り換えには、さまざまな手数料や初期費用が発生します。具体的には、事務手数料、登記費用、保証料などが挙げられます。これらの費用は数十万円に上ることもあり、場合によっては金利引き下げによるメリットを相殺してしまうこともあります。そのため、借り換えを検討する際は、これらの費用を考慮し、実際にどのくらいのコスト削減が見込めるかを事前にシミュレーションすることが重要です。
・審査が必要
新しいローンに借り換える際には、再度金融機関の審査を受ける必要があります。この審査では、現在の収入状況や信用情報、返済能力が厳しくチェックされます。審査に通らなければ借り換えは実現しません。収入が不安定であったり、借入金額が多かったりする場合には、審査が通らない可能性が高まります。そのため、審査をスムーズに通過するための準備が必要です。
・手続きに手間がかる
借り換えには多くの手続きが伴います。新しい金融機関との契約手続きや必要書類の準備、登記の変更手続きなどが必要で、時間や労力がかかります。また、これらの手続きの間に現在のローンを継続して返済する必要があるため、場合によっては一時的な負担が増えることもあります。
以下は、金利1.5%のローンに借り換えた場合の例です。
項目 | 借り換え前 | 借り換え後 | 差額 |
金利 | 2.50% | 1.50% | -1.00% |
月々の返済額 | 120,000円 | 100,000円 | -20,000円 |
総支払額 | 36,000,000円 | 30,000,000円 | -6,000,000円 |
残りの返済期間 | 25年 | 23年 | -2年 |
手数料・諸費用 | – | 300,000円 | -300,000円 |
※あくまで一例であり、実際の金額は条件により異なります。
2. 方法②元金均等返済を選ぶ
元金均等返済は、返済期間中、毎月の元金返済額を一定にして、金利分を残高に応じて計算する方法です。元金が早く減るため、支払う利息を削減でき、返済額が年々減少します。
まずはメリットから説明します。
- 早期に元金が減る
元金均等返済では、毎月支払う元金が一定のため、返済初期から元金部分が大幅に減少します。これにより、借入金額が速やかに縮小し、ローンの期間全体を通じた利息支払いを抑えることができます。特に金利が高い場合や借入額が大きい場合、効果が顕著です。
- 利息支払いの総額を削減できる
元金の減少が早いため、利息の計算基準である残高が短期間で小さくなります。その結果、毎月の利息額が次第に減少していき、総利息額が軽減されます。長期的に見て、支払総額の負担を抑えられる点が大きな魅力です。
- 将来的に家計の余裕が出る
返済額が年々減少していくため、子育てや教育費が増える時期や、他の出費が増加するライフイベントに備えやすい点もメリットです。初期の負担が高い分、その後の家計に余裕が生まれることがあります。
続いて、元金均等返済のデメリットです。
- 返済初期の負担が大きい
元金均等返済は、毎月の元金返済額が一定である一方、残高が大きい初期には利息が多く発生します。そのため、返済開始当初の月々の支払い額が非常に高くなります。これにより、家計に大きな負担がかかり、他の支出を圧迫する可能性があります。
- 収入が安定していない場合はリスクがある
収入が将来的に変動する可能性がある場合、初期の高額な返済額が支払い困難につながる恐れがあります。特に、ライフイベントが重なる時期には、家計を圧迫するリスクが高まります。
- 選択しにくい場面がある
住宅ローンの返済方法としては、月々の負担を均等化する元利均等返済が一般的です。そのため、元金均等返済は金融機関の選択肢として少ない場合があります。また、借入額が大きい場合には審査が通りにくいケースもあります。
元金3,000万円、金利2.5%で、30年ローンを元金均等返済で組んだ場合の月々の返済額と総返済額は以下のとおりです。
| 元金均等返済 | 通常返済 |
ローン残高 | 3,000万円 | 3,000万円 |
金利 | 2.50% | 2.50% |
返済期間 | 30年 | 30年 |
初月の返済額 | 14万2,000円 | 12万6,000円 |
最終月の返済額 | 10万1,000円 | 12万6,000円 |
総返済額 | 4,222万円 | 4,312万円 |
支払う利息 | 1,222万円 | 1,312万円 |
結果:元金均等返済では、総返済額が90万円減少し、利息を削減することができます。
3. 方法③返済期間の短縮
返済期間短縮は、住宅ローンの返済期間を短くすることで、支払う利息を削減し、早期にローンを完済することを目指す方法です。例えば、30年ローンを25年に短縮することで、支払期間が5年短くなり、その分の利息を減らすことが可能になります。ローンの完済時期を前倒しすることで、金銭的な負担を軽減し、将来の自由度を高める効果があります。
返済期間短縮のメリットをみていきましょう。
- 利息支払い総額を削減
返済期間が長いほど、利息が発生する期間も長くなり、総支払額が大きくなります。返済期間を短縮すれば、利息が発生する期間そのものが短くなるため、利息の総額が大幅に減少します。特に金利が高い場合や、借入期間が長いローンでは、この削減効果が顕著に表れます。
- 早期完済による安心感
ローンの完済時期を早めることで、将来的な金銭的な自由度が増します。例えば、子どもの教育費や老後の資金準備が必要なタイミングで、住宅ローンの支払いが終わっていれば、家計全体に余裕が生まれます。特に、退職後までローンが続くことを避けたい場合、返済期間の短縮は有効な選択肢です。
- 資産形成への影響
ローンを早期に完済することで、毎月の返済額が必要なくなり、その分を貯蓄や投資に回すことが可能になります。将来の資産形成に向けた余剰資金を生み出せる点は、大きなメリットです。
2. 返済期間短縮のデメリット
続いて、デメリットです。
- 月々の返済額が増加
返済期間を短縮すると、元金と利息を返済する期間が短くなるため、月々の返済額が増える点は避けられません。例えば、30年ローンを25年に短縮すると、元金を5年分上乗せして支払う必要があります。このため、家計にかかる負担が増えることを考慮する必要があります。
- 生活費への影響
月々の返済額が増加することで、他の生活費にしわ寄せがくる可能性があります。特に、子育て中や収入が不安定な時期には、急激に増加した返済額が家計を圧迫し、生活水準に影響を及ぼすリスクがあります。
- 貯蓄への影響
月々の支払いが増えることで、手元に残るお金が少なくなり、貯蓄や緊急時の備えが不足する可能性があります。突然の支出や予想外の出費が発生した場合、十分な対応ができなくなるリスクが高まる点に注意が必要です。
3. 返済期間短縮のシミュレーション
以下は、借入額3,000万円、金利1.2%、返済期間30年での返済期間短縮のシミュレーションです。
返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額(元金+利息) | 利息総額削減効果 |
30年(変更なし) | 98,900円 | 35,604,000円 | – |
25年 | 108,600円 | 32,580,000円 | 3,024,000円減少 |
20年 | 137,900円 | 30,096,000円 | 5,508,000円減少 |
この表からもわかるように、返済期間を短縮することで、総返済額に大きな差が生じます。一方で、月々の返済額が大幅に増えるため、無理のない範囲で計画を立てることが大切です。
4. 方法④繰り上げ返済による利息削減
繰り上げ返済は、毎月の通常返済に加えて、余剰資金を使って住宅ローンの元金を直接返済する方法です。この追加返済により、元金の減少スピードが加速し、支払う利息の総額を大幅に削減できます。特に、ローンの初期段階で繰り上げ返済を行うことで、残高が減りやすくなり、利息削減効果が大きくなります。
1. 繰り上げ返済のメリット
繰り上げ返済のメリットは以下のとおりです。
- 利息の総額削減
繰り上げ返済の最大の魅力は、利息の支払いを大幅に削減できる点です。住宅ローンの利息は元金残高に応じて計算されるため、繰り上げ返済を行うことで、残高が減少し、結果的に利息も減ります。例えば、金利1.5%、借入残高2,000万円の場合、100万円を繰り上げ返済すると、その後の利息の負担を数十万円単位で軽減することが可能です。
- 返済期間の短縮
繰り上げ返済を行うと、返済期間そのものを短縮することができます。たとえば、35年ローンを契約している場合でも、繰り上げ返済を定期的に行えば、最終的な完済時期を5~10年短縮することも可能です。完済が早まれば、経済的な負担から解放される時期も早まり、生活の自由度が増します。
- 精神的な安心感
ローン残高が減ることや、完済時期が見えることで、精神的な安心感が得られます。特に長期ローンでは、ローンが減少していく実感を得ることで、家計管理や将来設計に対するモチベーションが高まります。
2. 繰り上げ返済のデメリット
続いて、デメリットです。
- 一時的な資金負担
繰り上げ返済にはまとまった資金が必要となります。たとえば、ボーナスや貯蓄を繰り上げ返済に充てる場合、それ以外の生活費や緊急時の備えが不足するリスクがあります。特に家計に余裕がない時期に無理して繰り上げ返済を行うと、生活の質を損なう可能性があります。
- 資産運用のチャンスロス
繰り上げ返済に資金を回すことで、他の資産運用に使える余剰資金が減るというデメリットもあります。特に低金利時代では、ローン金利よりも高い利回りを得られる運用が可能な場合、繰り上げ返済よりも運用を優先した方が長期的な資産形成に有利になることも考えられます。
- 返済方法の選択による制約
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの選択肢があります。期間短縮型は完済時期を短縮する代わりに毎月の返済額は変わりません。一方、返済額軽減型は月々の返済額を減らすことができますが、完済時期は変わりません。どちらを選ぶかによって効果が異なり、自分の家計状況に適した選択を行う必要があります。
3. 繰り上げ返済のシミュレーション
以下は、借入額3,000万円、金利1.2%、返済期間30年の場合に、100万円を繰り上げ返済した場合のシミュレーションです。
繰り上げ返済後の返済期間 | 毎月の返済額 | 総返済額(元金+利息) | 利息削減額 |
繰り上げ返済なし | 98,900円 | 35,604,000円 | – |
100万円繰り上げ(期間短縮型) | 98,900円 | 33,500,000円 | 2,104,000円減少 |
100万円繰り上げ(返済額軽減型) | 94,000円 | 35,100,000円 | 504,000円減少 |
上記の試算表からも、期間短縮型では利息削減効果が大きく、返済額軽減型では月々の負担が軽減されることがわかります。家計の状況や将来の計画に合わせて、最適な方法を選ぶことが重要です。
5. 方法⑤ボーナス返済の活用
ボーナス返済は、月々の通常返済に加えて、ボーナス時にまとまった額を返済することで住宅ローンの元金を減少させる方法です。この追加返済によって元金の減少ペースが早まり、支払う利息総額を削減する効果が期待できます。特に収入が安定しており、ボーナスを見込める場合に効果的な返済方法です。多くの金融機関が、借入時にボーナス返済を組み込むプランを用意しており、住宅ローン契約の際に選択することが可能です。
1. ボーナス返済のメリット
まずは、メリットです。
- 元金の早期減少
ボーナス返済を活用すると、まとまった金額を元金の返済に充てるため、元金の減少ペースが加速します。元金が減ると、利息計算の基礎となる残高も減るため、その後の利息負担が軽減されます。例えば、金利が1.2%、借入残高が2,500万円の場合、50万円のボーナス返済を行うと、残高が減ることで利息の支払いが大幅に抑えられます。
- ローン返済の計画性を高める
ボーナス返済を組み込むことで、年に数回のまとまった返済機会を計画的に活用できます。ボーナスをあらかじめ返済に充てるプランを立てることで、無駄な支出を抑えつつローン完済への道筋を明確に描けます。
- 心理的な負担軽減
ボーナス返済を活用することで、通常の月々の返済額を抑えられる可能性があります。これにより、月々の家計負担が軽減され、生活資金に余裕が生まれることがあります。特に、家族構成が変わるタイミングや教育費が増える時期に、月々の負担を調整できるのは大きなメリットです。
2. ボーナス返済のデメリット
続いて、デメリットです。
- ボーナスの金額に依存
ボーナス返済の効果は、ボーナスが予定通り支給されることを前提としています。景気変動や会社の業績によってボーナス額が減少、または支給されない年があると、計画した返済ができず家計に影響を与える可能性があります。特に、不安定な収入状況の家庭では、ボーナス返済を無理に組み込むとリスクが高くなります。
- 自由に使える資金の減少
ボーナスをローン返済に充てることで、旅行や家族のための大きな出費など、自由に使える資金が減る可能性があります。家計全体のバランスを考えた上で、ボーナス返済の額を設定する必要があります。
- 返済額が負担になる可能性
ボーナス返済を組み込むことで、ボーナス時に多額の返済額が発生するため、他の支出が圧迫されるリスクがあります。特に、教育費や車の購入など大きな支出が重なる年には、家計全体の負担が増加する恐れがあります。
3. ボーナス返済のシミュレーション
以下は、借入額3,000万円、金利1.2%、返済期間35年の場合に、毎年50万円をボーナス返済に充てた場合のシミュレーションです。
ボーナス返済額 | 総返済額(元金+利息) | 利息削減額 | 完済期間 |
ボーナス返済なし | 34,772,000円 | – | 35年 |
毎年50万円追加 | 31,540,000円 | 3,232,000円削減 | 約29年 |
この試算では、毎年50万円のボーナス返済を行うことで、総支払額を約3,200,000円削減でき、完済期間を6年短縮する効果が得られることがわかります。家計に無理のない範囲でボーナス返済を活用することが、ローン負担の軽減につながります。
6.まとめ
住宅ローンの利息を削減するためには、さまざまな方法を組み合わせることが効果的です。借り換え、元金均等返済、返済期間の短縮、繰り上げ返済、ボーナス返済を行うことで、大幅な利息削減を実現できます。自身のライフスタイルや収入に合った方法を選び、最適な返済計画を立てることが重要です。
■横浜市戸塚区・泉区を中心に県内全区域の不動産をお取り扱いしています。
■埼玉県川口市・蕨市を中心に県内全域の不動産をお取り扱いしています。