家が売れなかった場合の選択肢-原因と対処法も紹介
家の売却が困難な状況に陥った際、原因を把握し適切な対処法を見つけることが重要です。
多くの場合、不動産市場の動向や価格設定の適正さ、物件の魅力などが要因となります。
この記事では、売れ行きの低迷に至る原因やその対処法について解説します。
1.家が売れなかった場合の未来や選択肢
売却して家が売れなかった場合、最終的にどうなるのでしょうか。
1.空き家として残る
家が売れない場合、所有者はそのまま家を維持し、空き家として残すことができます。この場合、定期的なメンテナンスや税金、保険料などのコストがかかります。また、空き家が周囲の地域や地域全体の景観や安全性に影響を与える可能性があるため、地域社会や地方自治体にとっても懸念材料となることがあります。
2.不動産会社に買取してもらう
家が売れない場合、仲介ではなく不動産会社に買い取ってもらう「買取」という選択肢もあります。
買取では、仲介のように販売活動を行わずに、提示された査定額に納得すれば即売却となります。売却を急いでいる、またはなかなか買い手がつかない場合に有効な方法ですが、買取の場合は仲介よりも安く売却されることが一般的です。通常、相場の7~8割程度で買取されるとお考えください。
3.賃貸に出す
売れなければ賃貸やリースバックという選択肢もあります。まず、賃貸に出す場合は、家を貸すことで収入を得ることができますが、管理費用や修繕費用、家賃未払いなどのリスクを考慮する必要があります。また、家を売るという最初の目標を達成するために、再び売却を検討するタイミングが訪れます。
4.リースバックする
リースバックとは、家をリースバックの業者と「普通借家契約」または「定期借家契約」を締結し、その業者に毎月家賃(リース料)を払いながら住み続けるという売却方法のひとつです。売却しても家を失わず、固定資産税もかからないのでメリットが多い方法ではありますが、通常の売却よりも売却価格が安くなることがほとんどです。近隣の賃貸よりも家賃が高いこともデメリットとなります。
2.よくある「家が売れない」原因と対処法
次に、よくある家が売れない原因をいくつか挙げていきます。
1.家そのものに問題がある
築年数や立地、日当たりなど、物件の条件は売却に大きな影響を及ぼします。立地や周辺環境は不動産取引において重要な要素です。たとえば、交通の便が悪かったり、バスの本数が少なかったり、治安が悪い地域では、購入希望者が集まりにくい傾向があります。
さらに、内装や外観が劣化していたり、汚れていたり、手入れが行き届いていないと、物件が魅力的でないと見なされることがあります。同じ地域に状態の良い物件がある場合、買い手は魅力的な物件を選びたいと考えるでしょう。劣悪な状態の物件は競合物件と比較して不利になり、競争力が低下します。劣化がひどい部分だけでもリフォームをして、少しでも物件の良さをアピールしましょう。
2.売り出し価格が適正ではない
購買希望者は複数の物件を比較して検討します。相場を把握しているため、過剰な価格設定は他の物件と比較した際に選択肢から外れる可能性が高まります。逆に価格が安すぎる場合も、品質に対する疑問が生じ、購買希望者の興味を引き付けることができません。
中には、高い価格から段階的に価格を下げる戦略を取る方もいらっしゃいますが、実際にはこの方法が成功するケースはまれです。迅速な売却を望むのであれば、最初から適正価格を設定することが重要です。
3.物件の問い合わせや内覧希望者が少ない
適切な広告や宣伝が行われていない場合、物件が見過ごされる可能性があります。オンラインやオフラインの広告、不動産ポータルサイトやSNSなどを活用して、物件の情報を広くアピールすることが重要です。
売却をするなら集客力がある不動産会社を選ぶことをおすすめします。集客力は、販売活動の要です。物件情報の広告範囲が狭い不動産会社よりも、幅広い媒体で情報を発信する会社を選びましょう。不動産ポータルサイトやSNS広告、店頭展示、チラシなど、多角的なアプローチが購買希望者の注意を引く助けになります。
3. 内覧から購入に繋がらないのはなぜ?
内覧から購入につながらないケースが多い理由は、実際に物件を見た時に、写真とのギャップが大きいことが挙げられます。この問題を解決するには、物件の状態を向上させておくことが重要です。
まずは、家の中を徹底的に清掃し、清潔感を演出しましょう。生活感や不快なにおいは内覧者の興味を損なう可能性があります。内覧対応の際には、以下のポイントを心掛けてください。
・家の中の不要な物を一時的に別の場所に移動させる
・水回りの清掃は徹底的に行う(ハウスクリーニングも検討)
・場合によっては水回りのリフォームも検討する
手間や費用はかかりますが、内覧者の満足度を高めるために、物件の状態を向上させる努力は必要不可欠です。
4. 住宅ローンが残っている家が「売れない」場合
売却するにあたって、住宅ローンの残債はとても重要です。残債によって、選択すべき売却方法も変わってきます。
1.アンダーローンかオーバーローンか
住宅ローンが残っている家を売却する場合、アンダーローン(売却金額が残債よりも高い状態)であれば、売却金で残債を一括返済できるため、スムーズに売却手続きが進みます。しかし、オーバーローン(売却金額が残債を下回る状態)の場合は、自己資金を追加して完済してから売却するか、任意売却を選択することになります。ただし、任意売却には一定の期限があり、買い手が見つからずに売却できなかった場合には、競売にかけられてしまいます。次項から詳しく説明します。
2.仲介と買取以外を選択するなら「任意売却」の検討を
オーバーローンの場合、任意売却で済むのなら競売にかけられる前に行動を起こしましょう。売却価格の高さで順番に並べるなら、仲介、任意売却、買取、競売の順になります。任意売却は競売よりは高値で売却できる可能性があります。
仲介と買取以外の選択をするなら任意売却がベターです。
ただし、任意売却を選んだ場合でも、住宅ローンがゼロになるわけではなく、売却後も残債の返済が必要です。その場合、金融機関は一括返済を求めることはまれであり、分割払いの交渉は可能です。あきらめずに行動を起こしましょう。
3.住宅ローンが払えなければ「競売」になる
住宅ローンが残っている家が売れない場合、最終的には競売にかけられる可能性があります。
任意売却には一定の期限があり、買い手が見つからない場合は競売に進むことになります。競売はオークション形式で行われ、通常は相場の50~70%程度でしか売却されません。このため、希望価格での売却は保証されず、最悪の場合は負債が残ってしまい、自己破産に至ることもあります。競売には何らメリットはありません。住宅ローンが残っている家を売却する際には、競売以外の方法を検討し、専門家に相談して慎重に進めることが重要です。
5. 売却を成功させたいのなら不動産会社選びは慎重に
家の売却がうまくいかない一因として、不動産会社選びに失敗していることが挙げられます。
では、どのような不動産会社を選べばよいのでしょうか。大手不動産会社?それも間違いではないですが、ネームバリューだけで不動産会社を選ぶと失敗します。大手でも地域密着型でも、「提案力」「集客力」「販売力」、このどれかひとつでも足りない不動産会社は選ぶべきではありません。
まず、「提案力」は物件の適正価格を的確に提示する能力です。提案力のある不動産会社は、過去の取引データや市場動向を踏まえ、専門知識と現実的な評価を結びつけて適切な価格を示してくれます。
次に「集客力」です。これは販売活動の要です。物件情報の広告範囲が狭い不動産会社よりも、幅広い媒体で情報を発信する会社を選びましょう。不動産ポータルサイトやSNS広告、店頭展示、チラシなど、多角的なアプローチが購買希望者の注意を引く助けになります。
最後は「販売力」です。人気エリアの物件でも、営業担当の販売力が欠けていれば売却が難しいです。中古物件購入者は懸念や疑念を持ちがちですが、その不安を解消し、物件の魅力や良い側面を伝える力が肝要です。ネガティブな理由を前向きなポイントに変換し、購買意欲を喚起する能力が求められます。
6. まとめ
今回の記事では、家が売れない一般的な原因とその対処法について解説しました。家の売却が難航する理由は、物件自体に問題がある場合や、売り出し価格が適正でない場合など様々です。特に住宅ローンが残っている場合は、競売にかけられる前に他の売却方法を検討することが重要です。
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