売却で成功するためのポイント 売れやすいタイミング
不動産を売却する際、最も重要なのは売れやすいタイミングを見極めることです。この記事では、売却で成功するためのポイントと、物件を売りやすくするタイミングに焦点をあて、理想的な条件で不動産を売り抜くためのアドバイスをお届けします。
1.売却で成功するためのポイント
まずは、売却で成功するためのポイントを解説します。
1.不動産会社は査定額だけで選ばない
高い査定価格を出してくれたからといって、その不動産会社が優れているとは限りません。また、必ずしも売り出し価格と一致するわけでもありません。
不動産会社によって査定価格がバラバラなので、高い査定を提示した会社を選んでしまう気持ちは理解できますが、それは大きな間違い。売却を任せて欲しくて、相場より高い査定価格を提示する不動産会社も存在します。
査定額だけで判断せず、実績と信頼性を持つ不動産会社を選ぶことが重要です。
2.売却する希望価格と最低価格を決めておく
不動産を売却する際に多くの人が直面する難題は、「売りたい価格」と「売れる価格」の差です。少しでも高く売りたいのはみなさん同じで、実際に売れる価格とのギャップに悩みます。
売却で成功するために最初に考えるべきは「最低ライン」の価格です。これはローン残債や売却にかかる費用などを考慮した金額です。「これ以下の価格での売却は難しい」という最低ラインの価格を把握したら、それを基準にして「売りたい価格」や不動産会社の「査定額」と比較してみましょう。もし「最低ライン」よりも「査定価格」が低い場合は、売却自体を再考する必要があります。
3.売却理由は正直かつポジティブに伝える
家を売却する理由は、人によって様々です。物件そのものに問題がある場合や、転勤、離婚、子どもが自立後の住み替えなど、その理由はたくさんあります。
買主が購入を迷う売却理由として多いのは
・物件そのものに問題がある
・近隣に店や病院などがなくて不便そう
・騒音や日当たりに問題がある
・近隣の治安が悪い
などです。
これらの理由はネガティブなイメージに繋がりやすいですが、隠さずに正直に伝えましょう。その際は、物件のアピールポイントや、「こういう風に生活すると快適ですよ」といった具体的な提案をすることも重要です。
たとえば、この窓は西日がきついので遮光カーテンをつけると良いとか、少し歩くと安いスーパーがある、などといった提案です。隠すよりも物件のネガティブな面に向き合っている姿勢を示すと買主からの信頼を得られるでしょう。
特に離婚による売却は珍しくもなく、むしろ多いぐらいなので、隠す必要はありません。購入希望者の中には縁起をかつぐ方もいらっしゃるので、離婚で売却された物件は買いたくないという場合もありますが、隠すよりも正直に伝えた方がスムーズに売却が進む可能性が高いです。
4.知識を身につけて不動産会社に丸投げしない
不動産の売却手続きは基本的に仲介会社に委ねることができますが、売却での成功を望むなら、基本的な不動産売却の知識を身につけておくことが重要です。自身で売却の流れや物件の相場、周辺地域の情報の収集をしておき、不動産会社に完全に頼り切らないようにしましょう。
同時に、買主の視点を考慮することも重要です。物件の魅力や内覧時に注目されるポイント、不安や質問が出る可能性がある事柄などを買主目線で考え、それに基づいて物件を魅力的にアピールする工夫が求められます。
5.売れにくい物件は専任媒介契約で売る
「都市部から離れている」「駅からの距離が遠い」など、売れにくいと感じる物件には、専任媒介契約がおすすめです。
「売れにくい物件なら、複数の不動産会社と契約すれば早く売れるのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には専任媒介の方が多くの場合において有利なのです。
一般媒介契約では、複数の不動産会社が関与するため、売却に積極的に取り組みにくくなり、結果的に売却期間が延びる可能性があります。専任媒介契約では、売主が一社に売却を委託することで、その不動産会社が独占的に売却活動を行います。これにより、迅速な売却が期待できます。
6.物件をきれいにしておく
物件をきれいにしておくことは、査定や内覧の際にも大きな影響を与えます。
一見するだけで気持ちよく感じる清潔な状態は、買い手に好印象を与えるだけでなく、物件の魅力を引き立てます。床や壁、窓など、細部にわたり手入れを怠らず、不要な物は片付けることで、広々とした印象を醸し出します。
物件の魅力を引きてる方法としては、以下の方法があります。すべて実行できなくても、徹底的に掃除をして清潔感を大事にしましょう。
・荷物を一時的にトランクルームに預ける
家の中がきれいであっても、物が多いと魅力的に見えません。物が多い方は、一時的にトランクルームに預けることをおすすめします。
・ハウスクリーニングを頼む
内覧者がイメージダウンする原因として一番多いのは水回りの汚さです。費用はかかりますが、水回りだけでもハウスクリーニングを検討してみてはいかがでしょうか。
・水回りだけでもリフォームする
ハウスクリーニングよりもさらに費用はかかりますが、汚れや劣化がひどい場合は水回りだけでもリフォームしても良いかもしれません。バスルームを丸ごと新しくする場合、おおよそ150万円ほど。水回り全体を一新する場合には、約200万円程度の費用がかかります。
2.家が売れやすいタイミング
売り時を見逃さないためには、家の売却タイミングを見極めることが不可欠です。特に悩まれるのが「今、売却しても大丈夫なのか?」という疑問。この章では、家が売れやすいタイミングを解説します。
1.成約件数が多いのは3月
賃貸繁忙期は1~3月と言われていますが、売買においては季節よりも需要の変動が少ない傾向があります。
しかし、春は入学シーズンで引っ越しを考える人が多いため、12月後半~1月に物件を出すことが効果的です。この時期にPRを施すことで、早期に高値での売却が期待できます。
2.マンションと築15年以内の一戸建ては早めに売る
一戸建ては築10年、マンションは築15年を境に購入需要が急激に減少します。これは、物件が古くなるにつれてメンテナンスやリフォームの必要性が高まり、それに伴って購入に対するハードルが上がるためです。
特にマンションは新築時のプレミア感が強く影響します。築浅であればあるほど、その新しさと良好な状態が需要を高め、高値での売却を容易にします。築15年以内の一戸建ても、早めに売却を検討することで市場での競争力を保ちます。
以下は、築年数ごとのマンションと一戸建ての資産価値と需要についてのまとめたものです。マンションや築15年以内の一戸建てを所有している場合は、築浅の状態を活かし、早い段階で売却を検討すると良いでしょう。
マンションの場合
築年数 | 資産価値 | 需要 |
築10年以内 | 新築の8割程度 | 需要が多く高値で売れやすい。 |
築11~20年 | 新築の6~7割程度 | 劣化が気になる箇所が出てくる時期で、安く買いたい層に需要あり。 |
築21~30年 | 新築の4割程度 | 修繕やリフォームによって価格が左右される。 |
築30年超 | 新築の4割以下 | 人気エリアや利便性の高い物件は需要がありつつも、築浅の物件と比較すると資産価値が下がる。 |
一戸建ての場合
築年数 | 資産価値 | 需要 |
築10年以内 | 新築の5割程度 | 需要は高い。さらに、省エネ住宅や人気のハウスメーカーが建てた住宅は、資産価値の下落幅が緩やかになることがある。 |
築11~20年以内 | 新築の2割程度 | 築15年を目安に下落幅が緩やかになる。 |
築20年以内 | 新築の2割程度 | 建物部分の資産価値はほぼなくなり、「古家付きの土地」として土地のみの価格で売買されるのが一般的。 |
3.不動産価格が高騰している時に売る
一般社団法人不動産協会「不動産関連データ」によれば、首都圏のマンション価格は2022年に6,288万円となり、前年比で0.4%上昇しました。2018年の平均価格から見ても、5年間で7.1%の上昇があります。
特に注目すべきなのは、2021年時点で既に1990年の不動産価格バブル期を上回っているという点です。ただし、現在の値上がりは急激なバブルとは言えないため、1990年代のような急激な価格の下落は予測しづらい状況です。
このような背景から、不動産価格が高騰している時期は、売却時に高い価格で取引できる可能性が高まります。購入希望者が増加し、需要が高まる中で売却を検討することで、良い条件での取引が期待できます。しかし、市況は変動するため、慎重な計画と柔軟な対応が求められます。
3. 所有期間が5年以下の家を売る場合の注意点
家を所有していた期間が5年以下か5年超かで、所得税と住民税の税率が大きく異なります。
所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
短期譲渡所得(5年以内) | 30.6% | 9% |
長期譲渡所得(5年超) | 15.315% | 5% |
上記の表を見ると分かるように、所有期間が5年以下か5年以上かで税率が約2倍もの差を生じます。特に注意が必要なのは、「5年以内」という認識の間違いです。所得税や住民税の計算は、「家を売却した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えていたかどうか」で判断されます。購入してからの住んでいた年数でなく、1月1日時点での所有期間が基準となるため、計算ミスには十分ご注意ください。
4. まとめ
今回は、売却で成功するためのポイント売れやすいタイミングについて解説しました。
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